ロゼレム(ラメルテオン)の特徴|作用機序と副作用|メラトニン受容体作動薬

今回は睡眠薬の中でも作用が特徴的なメラトニン受容体作動薬ロゼレムについてお話していきます。

ロゼレムとは?

まずは名前の由来からいきましょう。『健やかな眠りを取り戻し、ばら色の夢を見る』からRose(バラ)+REM(レム睡眠)でrozerem(ロゼレム)と命名されました。

 

夢はほとんど”レム睡眠で見る”と言われていますので、そこから取ったわけですね。一般名はラメルテオンです。

 

今までとは一線を画す作用機序の説明の前に、睡眠障害のタイプについてお話していきます。

睡眠障害と睡眠薬のタイプについて

[sc name=”suiminn1″ ]

上の表をご覧下さい。睡眠障害は症状により4つのタイプに分類できます。

 

また睡眠薬は半減期により大きく4つに分類でき、これが作用時間の目安となります。

半減期とは?

薬の血液中の濃度が最高になった後、それが半分の濃度になるまでにかかる時間

[sc name=”suiminn2″ ]

代表的な睡眠薬を分類しました。処方する際は睡眠障害のタイプによって睡眠薬を使い分けます。2種類以上併用する場合もあります。

 

ロゼレムは半減期が1時間であり、主に『寝付きが悪い』入眠障害に対して処方されます。それでは作用機序についてみていきましょう。

ロゼレムの作用機序と特徴

他の睡眠薬の作用機序はレンドルミンなどのベンゾジアゼピン系に代表されるように、抑制性神経伝達物質のγアミノ酪酸(以下GABA:ギャバ)がGABA受容体に結合しやすくすることで、神経伝達が抑制され眠気を誘発するというものです。

 

しかしロゼレムの作用機序は全く異なります。

 

まず人間が眠くなる仕組みとして「夜になったから眠る」というものがあります。これは体内時計機構といわれ、視床下部の視交叉上核と呼ばれる部分がその体内時計の中心を担っています。

 

朝起きて太陽の光を浴びると、視交叉上核がそれを感じ取り、脳内の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分に「メラトニンを作れ。だが分泌は14~16時間後だ。」と命令します。

 

松果体は命令に従い、メラトニンをせっせと作ります。そして日中の明るい時間帯はメラトニンはほとんど分泌されませんが、夜暗くなると分泌が盛んになるのです。

 

メラトニンは視交叉上核にあるメラトニン受容体に作用します。その結果脳や内臓の内部の温度”深部体温”が低下し、代謝が低下することで私達は眠たくなるわけですね。

 

ロゼレムはこのメラトニンに注目した薬です。

 

ロゼレムはメラトニン同様、視交叉上核にあるメラトニン受容体(MT1、MT2)に作用します。つまりメラトニンとほぼ同じ働きをすることで睡眠を誘発します。自然な眠りと呼ばれるのはそのためですね。

 

ちなみに、メラトニン受容体にはMT1、MT2、MT3があり、睡眠に関与するのはMT1とMT2と言われています

ロゼレムの効能効果・用法用量

[su_spoiler title=”ロゼレムの効能効果・用法用量をみる”]

効能又は効果
不眠症における入眠困難の改善

用法及び用量
通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。

[/su_spoiler]

[sc name=”kijinaiads” ]

ロゼレムの副作用

主な副作用は傾眠、頭痛、倦怠感、浮動性めまいとなっています。

 

ロゼレムはベンゾジアゼピン、GABA、ドパミン受容体などに作用せずメラトニン受容体のみに作用します。

 

そのため、ベンゾジアゼピン系に特徴的な副作用である筋弛緩作用や中止後の反跳性不眠等がみられません。ふらつき、めまい、持ち越し等も少ないです。

反跳性不眠とは?

突然服用を中止することで、服用前より強い不眠が現れること。

 

高齢者はメラトニンの分泌が低下している場合が多いので、筋弛緩作用のないロゼレムは適していると言えるでしょう。

ロゼレムの注意事項

ロゼレムは主に肝臓で代謝されるため、肝臓が悪い方は血中濃度が高くなり効果が強く出すぎてしまう可能性があります。高度な肝機能障害のある患者様には禁忌となります。

 

また、今までの脳の働きを抑制する薬とは違い、あくまで自然な眠りを誘発する薬です。

 

そのため初日から効果が出る方もいますが、即効性にはあまり期待できません。1週間の服用で概ね効果が出始める方が多いですね。効果は2週間程度服用して判定します。

 

また食後の服用で血中濃度が低下する、つまり効果が低下する可能性があります。そのため食後少なくとも1時間はあけて服用するようにしてください。

 

最後にもう一点注意。服用中はアルコールの摂取を控えましょう。

 

アルコールには脳の活動を抑える作用があります。睡眠薬と一緒に飲むことで作用が増強されるため、控えるようにしましょう。睡眠の質が悪くなるとも言われています。

 

それではロゼレムについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

出典:
ロゼレム錠8mg 添付文書・インタビューフォーム

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

あおい|病院薬剤師
感染制御認定薬剤師/日病薬病院薬学認定薬剤師

病院で働く薬剤師です。似た名前の薬や制度の違いを、添付文書・インタビューフォーム・厚生労働省の通知にあたって整理しています。記事には情報の時点を記載し、参考文献には版と日付を残しています。