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小柴胡湯の作用機序と特徴、副作用~インターフェロンとは併用禁忌


今回は漢方薬の小柴胡湯(ショウサイコトウ)について解説します。

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小柴胡湯の名前の由来

 

配合されている7種類の生薬(次項参照)のうち、柴胡を主薬としていることが挙げられます。

 

そして、同じく柴胡を主薬として8種類の生薬からなる大柴胡湯という漢方薬があるのですが、症状が「激しいか緩和か」、「実証か虚証か」により大小が冠されています。

 

大柴胡湯よりも症状が緩和で虚証の傾向の人に用いられるということから、小柴胡湯と命名されています。

小柴胡湯の作用機序と特徴

 

小柴胡湯は慢性の肝炎や長引く風邪に用いられている漢方薬で、含まれている生薬は柴胡(サイコ)、半夏(ハンゲ)、黄芩(オウゴン)、大棗(タイソウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)です。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。小柴胡湯に適応がある証は虚証よりの中間証、熱証、気滞であり、体力が低下気味で熱っぽく、胸の辺りが使えるような感覚のある人に適しています。

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添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果
1.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全

2.慢性肝炎における肝機能障害の改善

用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

小柴胡湯は柴胡を効果の中心として、それを補助する役割で複数の生薬が配合されています。

 

柴胡は解熱鎮痛消炎作用をもち、ストレスに対して耐性を与えることが主な作用です。主成分であるサイコサポニンが抗酸化作用と免疫調節効果をもち、肝臓を中心に炎症反応を抑制することが知られています。

 

漢方薬は科学的な研究がされていないものが多い中、小柴胡湯はその有用性から率先して研究が進められており、作用機序が判明している部分が多くあります。

 

まず、アポトーシス(細胞自らを死滅させる機能)を誘発するサイトカインであるTGF-β(トランスフォーミング増殖因子-β)の分泌を抑制し、肝臓への血流量を増加させることで障害を受けた肝細胞の壊死を抑制し、再生を促します。

 

また、サイトカインやマクロファージの働きを調節することで、抗アレルギー反応や免疫調節作用を発揮し、肝臓の線維化も予防することができるのです。

 

酸化ストレスを測る指標であるマロンジアルデヒドの濃度を低下させていることから、抗酸化効果も発揮していることも併せて示唆されています。

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小柴胡湯の副作用

 

小柴胡湯では、使用している患者の約2.8%に臨床検査値の異常などの副作用が認められています。重大な副作用としては甘草に由来するものが報告されており、使用する際にはその兆候となる症状に注意が必要です。

 

低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫を引き起こしてしまう偽アルドステロン症、前述の低カリウム血症の結果として筋肉の動きに悪影響を与えてしまうミオパチーの発生が報告されています。

 

それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

 

また肝機能検査値の異常や黄疸、強い倦怠感、かゆみなどを引き起こす肝機能障害、呼吸困難や咳、発熱や肺音の異常などが起きる間質性肺炎の報告もあるため、これらの症状が現れた場合には服薬を中止しなければいけません。

 

特に間質性肺炎に関しては、警告でも注意喚起されており、死亡例もあるため特に注意が必要です。

 

その他の副作用として、食欲不振・胃部不快感・下痢などの消化器症状、頻尿、残尿感などの泌尿器症状、発疹や蕁麻疹などの過敏症状の報告があります。

 

服用中にこれらの症状が現れた場合は、医師、薬剤師に伝えるようにして下さいね。

小柴胡湯の飲み方と注意事項

 

小柴胡湯は1日2~3回に分けて空腹時に服用するのが効果的です。もし服用を忘れて食事をしてしまった場合には、効果は減弱してしまう可能性はありますが気づいた時点で服用しても大丈夫です。

 

小柴胡湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。

 

そのため、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。あまりに熱いお湯では、薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

注意事項として、漢方薬の併用などにより甘草が重複することで、前項で紹介している重大な副作用が誘発されやすくなってしまう可能性があります。

 

他にも甘草の有効成分として含有されているグリチルリチン酸を使用している医薬品や、ラシックスなどのループ系利尿薬・フルイトランなどのチアジド系利尿薬などについても、血清カリウム値の変動や血圧の変動を起こす危険性がありますので注意が必要です。

 

また機序は不明ですが、間質性肺炎の引き起こす可能性があるということでインターフェロン製剤との併用は禁忌となっています。

 

インターフェロン、小柴胡湯いずれも肝臓に対して用いられることがある医薬品ですので、十分に注意しましょう。そのほかにも、肝硬変・肝がんのある患者や、肝機能障害で血小板数が低下している患者にも禁忌となっています。

 

妊娠中の使用に関しては有益性がある場合にのみ使用することとなっています。含有している生薬の半夏が、妊婦には慎重投与とされているからです。ただし、証の状態によっては使用を検討することもあります。

 

とはいえ、自己判断での服用はせず、必ず医師の判断のもとで使用するようにして下さいね。

 

それでは小柴胡湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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