今回はループ利尿薬の「ダイアート」についてお話していきます。
ダイアートの名前の由来は?どんな薬?
それではまず名前の由来から。Diuresisは”利尿”、Artは”創造”を意味します。利尿を創造するという意味を込めてDiart:ダイアートと命名されています。
ダイアートの作用を簡単に説明すると、「腎臓に働きかけて尿量を増やすことで、血液中の過剰な水分が減少し、浮腫(むくみ)がとれ、血圧が下がる」となります。
詳しい作用機序に移る前に、心不全について簡単に説明していきたいと思います。
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それでは続いて、尿の排泄のしくみについて見て行きましょう。
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ダイアートの作用機序
ヘンレ係蹄上行脚にはNa+-K+-2Cl–共輸送体という部分があります。Na+-K+-2Cl–共輸送体はNa(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)の再吸収に関わっています。
ループ利尿薬のダイアートはNa+-K+-2Cl–共輸送体の働きを邪魔する作用を持ち、これによりNa、K、Clの再吸収が阻害されます。
Naと水は同じ動きをしますので、体の中の余分な水分が排出されることでむくみがとれ、血圧が下がるのです。
ダイアートの特徴、ラシックスとの違い
ダイアートはその作用から浮腫や肺うっ血など体液が過剰であると判断された際に使用されます。適応は心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫
特徴としては、作用が穏やかであり長時間持続するため、自然に近い利尿が得られるというのが挙げられます。
効果発現と持続時間ですが、服用後1時間以内に作用が発現し、9時間持続します。またむくみがある患者様では12時間持続します。
ダイアートは同じループ利尿薬のラシックスと比較して利尿作用は穏やかであるものの、1日じっくり時間をかけて効果を発揮します。
なので単純な比較はできませんが、尿量を元にした両者の換算の目安は「ラシックス40mg≒ダイアート60mg」とされています。
適応は心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫であり、高血圧の適応はありません。
ラシックスなどの短時間型作用型ループ利尿薬は急激な利尿作用による交感神経系やレニン・アンジオテンシン系への影響が懸念されます。
しかしダイアートはそのリスクが低いと考えられ、慢性心不全に対しては短時間よりも長時間作用型のループ利尿薬の方が予後が良いという試験結果も示されています。
利尿薬は夜間頻尿を避けるため基本午前中に服用します。ダイアートは他のループ利尿薬よりも作用時間が長いため、午後に服用すると睡眠を妨げる可能性がより高くなりますので注意が必要です。
ダイアートの用法・用量
ダイアート錠
ダイアートは作用時間が長いため、ラシックスのように朝食後・昼食後の2回に分けて処方されるのは見たことがありませんね。
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先発品一覧
- ダイアート錠30mg
- ダイアート錠60mg
当院採用の先発品とジェネリック医薬品
- アゾセミド錠30mg「JG」
「JG」以外販売されていないため、選択の余地がありません。後発品使用体制加算を上位算定するため、30mgのみの採用となっています。
ダイアートの副作用について
まずは脱水、低ナトリウム血症と低カリウム血症。水分やナトリウム、カリウムの再吸収が阻害されるため、過剰に排泄されてしまう可能性があります。
低ナトリウム血症の症状には体がだるい、のどがかわく、ふらつき、立ちくらみ、動悸など、低カリウム血症の症状には、力が入りづらい、しびれ、脈の乱れなどがあります。
続いてめまいやふらつき。高所作業や自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意しましょう。特に高齢者では出現しやすいです。
他に注意が必要なのは血糖値と尿酸値の上昇です。
ダイアートを長期間服用することで低カリウム血症が出現するとインスリンの分泌が抑えられ、またインスリンの感受性も低下(効きが悪くなる)します。これにより血糖値が上昇します。
またナトリウムの再吸収が邪魔されることにより、近位尿細管での尿酸の再吸収が促され尿酸値が上昇することがあります。必要に応じて高尿酸血症治療薬を併用して対応します。
これらの副作用が現れた場合は主治医に伝えるようにしましょう。飲み始めてから1~2週間の間に現れることが多いです。
ただ服用中は受診の度に血液検査を行う(はず)ですので、下がっても適切な対応をしてもらえます。安心して服用してください。
それではダイアートについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。
