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小半夏加茯苓湯の作用機序と特徴、副作用~つわりや乗り物酔いに


今回は漢方薬の小半夏加茯苓湯について解説します。

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小半夏加茯苓湯の名前の由来

 

小半夏湯に茯苓を加えた処方ということで小半夏加茯苓湯と命名されています。そのまんまですね。

小半夏加茯苓湯の作用機序と特徴

 

小半夏加茯苓湯は、吐き気に対して用いられている漢方薬であり、含まれている生薬は半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、生姜(ショウキョウ)の三種のみです。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。

 

小半夏加茯苓湯の適応となる証は水滞で、むくみやすい体質の人なら幅広く使用できるため、乗り物酔いや妊娠中の吐き気(つわり)などにも用いることができる、汎用性が高い漢方薬です。

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添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果
体力中等度の次の諸症:
妊娠嘔吐(つわり)、そのほかの諸病の嘔吐(急性胃腸炎、湿性胸膜炎、水腫性脚気、蓄膿症)

用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ小半夏加茯苓湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

小半夏加茯苓湯は、冒頭でお話した通り、小半夏湯に茯苓を加えた漢方薬となります。

 

小半夏湯は、「吐き気はあるがのどは乾かない症例」に対して効果を発揮する漢方薬であり、これに茯苓を加えることによって嘔吐を繰り返してしまう場合の水分停滞に対して効果的になります。

 

含有している生薬は、水分循環を調節し、制吐効果・健胃効果を発揮するものとなります。

 

半夏が過量になってしまった場合、咽頭痛や嗄声などの副作用の発生が心配されますが、生姜と共に摂取することによってそれらの副作用が抑制され、逆に制吐効果を強くしてくれることが経験的に把握されています。

 

生姜にはジンゲロール、ショウガオールなどの殺菌効果・制吐効果・健胃効果を持つ成分が多く含まれており、生姜を配合することによって健胃効果なども強くなります。

 

ただその効果よりも前述した半夏の副作用予防・効果賦活のために配合されていると考えるべきものです。

 

茯苓は利水作用を持ち、嘔吐によって水分を失っている状態には体内に水分を留める効果をもち、水分過多で悪心症状を呈している場合には水分を排泄する効果を発揮します。

 

漢方薬の科学的な解明はいまだにされておらず、小半夏加茯苓湯でも科学的な薬理作用についての考察はされていません。

 

主薬である半夏が制吐作用を示すのは経験的にはっきりとはしていますが、含まれている化学物質のうち、どれがその作用を持っているのかは、明らかになっていません。

 

一部の研究では、脂質成分であるセレブロシドが制吐作用を有していることが示唆されています。

 

嘔吐・悪心が起きる際には、迷走神経胃枝遠心性活動の低下が起きていることが多く、半夏はこの迷走神経胃枝遠心性活動を賦活化して制吐作用を発揮しています。

迷走神経:脳神経の一つ。脳神経の中でも唯一腹部まで到達する長い神経系で、内臓のほとんどの活動を支配しているもの。太い本体の神経から各臓器に対して枝と言われる細い神経を伸ばしている。

遠心性:中心から外の方向に向かっていくという意味。中枢神経でいえば、中枢から末端へと神経伝達されていく様子を指す。対義語は求心性。

迷走神経胃枝遠心性活動:迷走神経から胃に向かって伸びている神経(枝)における、脳からの神経伝達活動のこと。迷走神経は副交感神経の一部に分類されているため、神経伝達物質はアセチルコリンが用いられている。

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小半夏加茯苓湯の副作用

 

小半夏加茯苓湯では副作用の発現頻度が明確になる調査を行っていないため、その詳しい発生頻度は不明です。

 

ただし、副作用としての報告は胃部不快感などの軽度なものばかりで、アレルギーなども報告されていないため、安全性はとても高いものだと言えるでしょう。

小半夏加茯苓湯の飲み方と注意事項

 

小半夏加茯苓湯は1日2~3回に分けて空腹時に服用するのが効果的です。もし服用を忘れて食事をしてしまった場合には、効果は減弱してしまう可能性はありますが気づいた時点で服用しても大丈夫です。

 

小半夏加茯苓湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。

 

そのため、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。あまりに熱いお湯では、薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ツムラ小半夏加茯苓湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

添付文書では妊娠中の使用は有益性がある場合のみとされていますが、妊娠中のつわりにも良く使用されているものですので、医師の判断において服薬する分には安全性が高い医薬品です。ただし、自己判断での使用は避けるようにして下さい。

 

それでは小半夏加茯苓湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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