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抗インフルエンザ薬の特徴と比較一覧 | 作用機序や副作用など

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今回は抗インフルエンザ薬の特徴と使い分けについてお話していきます。

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抗インフルエンザ薬の名前の由来

 

それでは恒例名前の由来から。まずはタミフルからいきましょう。タミフルは”TAMIFLU”と表記されますが、これは原薬名のオセルタミビル(Oseltamivirから”tami”、インフルエンザ(Influenza)から”flu”を抜き出し組み合わせ命名されました。一般名はオセルタミビルです。

 

続いてリレンザ。リレンザは”RELENZA”と表記されますがrelieveとinfluenzaを組み合わせたものです。relieveは緩和する、軽減する、解放するなどの意味を持ちます。これは作用そのまんまですね。一般名はザナミビルです。

 

続いてイナビル。後ほどお話しますが、イナビルは40mgを単回吸入する薬です。単回→1回吸入投与、この1回の1をアルファベットの「I」とします。そして作用する酵素ノイラミニダーゼ(NA)阻害剤の「NA」、ウイルス(Virus)の「VIR」3つを組み合わせてINAVIRと命名されました。一般名はラニナミビルです。

 

最後にラピアクタ。こちらはRapid(敏捷な、素速い)とAction(作用)を組み合わせてRAPIACTAと命名されました。一般名はペラミビルになります。

抗インフルエンザ薬の作用機序

 

現在発売されている主な抗インフルエンザ薬には、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタの4種類があります。

 

他にもシンメトレル(アマンタジン)がありますが、A型にしか効かない上耐性化も進んでおり、処方される機会が少ないと思いますので割愛します。他のノイラミニダーゼ阻害薬はA型、B型(耐性がなければ)両方に効きます。

 

インフルエンザの記事にも書きましたが、インフルエンザウイルスは自身のヘマグルチニンと細胞膜表面の糖シアル酸の結合により細胞内に入り込み増殖します。

 

その後細胞膜まで移動し、シアル酸とヘマグルチニンが再び結合。最後にノイラミニダーゼという酵素がそれを切り離して細胞外に出て行くというものでした。

 

だったらノイラミニダーゼを阻害することができれば、増殖した細胞が外に出られなくなります。つまりそれ以上感染が拡大しないことになります。

 

上記の抗インフルエンザ薬はノイラミニダーゼの働きを邪魔する作用を持ちます。その結果ウイルスは細胞表面で死滅します。

 

作用はあくまで”ウイルスをそれ以上増殖させない”であり、”症状の悪化を防ぐ”というものです。ウイルス自体を直接死滅させるものではありません。

 

インフルエンザウイルスの量は2、3日でピークに達し、その後は減っていきます。48時間以内の服用とされているのはこのためです。ウイルスが増えきった状態で抗インフルエンザ薬を服用しても意味が無いことがお分かり頂けると思います。

 

また、上記とは異なる作用機序を持つアビガン(一般名:ファビピラビル)という薬もあります。アビガンの作用機序はRNAポリメラーゼ阻害です。RNAポリメラーゼはウイルス増殖時に必須の酵素です。その酵素を邪魔する作用を持ちます。

 

ただアビガンは新型または再興型(過去に世界的流行した)インフルエンザウイルス感染症にのみ適応があり、かつ既存の抗インフルエンザ薬が無効(または効果不十分)な場合のみ処方可能となっています。

 

また動物実験で催奇形性(胎児に奇形が生じる)が報告されており、妊婦には使用できません。

 

アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱の原因ウイルス”エボラウイルス”とインフルエンザウイルスは構造が似ているため、アビガンはエボラ出血熱に効く可能性があるとして注目されています。

 

ただアビガンは国内でも製造販売承認は取得してるものの、流通はしていません。新型インフルエンザが流行し、現在発売されている抗インフルエンザ薬が無効な場合等に厚生労働省が製造許可してはじめて製造可能な薬となっています。

 

そのため皆さんが実際目にする機会はほとんどないかもしれません。

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抗インフルエンザ薬の使い分け

 

薬剤ごとに対象、投与法、投与期間についてまとめてみました。ただこちらは一般的な用法・用量であり、必ずしもこれで処方されるというものではありません。

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平成28年9月、イナビルに10歳未満の小児の予防投与の適応が追加になりました。また同時に成人・10歳以上の小児の予防投与についても、以前は「1回20mgを1日1回 2日間」のみだったのですが、「1回40mgを1日1回(治療と同じ)」でもOKになっています。

 

重要な事を1点。予防投与の場合はいかなる場合も保険適応外(自費)となります。あとラピアクタは予防投与の有効性、安全性は確立していないとの事で、予防投与には使用できません。

 

またいずれの抗インフルエンザ薬も1歳未満の適応がありませんでしたが、平成28年11月24日、公知申請により、タミフルドライシロップ3%が1歳未満に対して処方可能となっています。添付文書の改訂は来年6月の予定です。

 

また勘違いされている方がたまにいらっしゃいますが、予防投与は服用している間だけ効果がありますワクチンの代わりにはなりませんのでご注意下さい。ただしイナビルは1日又は2日間の服用で10日間有効とされています。

 

抗インフルエンザ薬の作用機序ですが、冒頭でお話した通り全てノイラミニダーゼ阻害という事で変わりはありません。よってこれらを併用することはありません。逆に効果が低下するという報告もあります。

 

効果の方も細かな違いがありますが、解熱効果については優位な差はないと言われています。その代わり剤形(経口か吸入か点滴か)が異なります。

 

それぞれの薬は場合により使い分けます。外来治療が可能な方(受診した後帰宅できる方)であればタミフル、リレンザ、イナビルのいずれかが、また経口、吸入が難しい方にはラピアクタが選択されるかと思います。ラピアクタはあくまでセカンドチョイスです。

 

吸入できるのであればイナビルがオススメです。病院や調剤薬局で1回吸入すればそれで治療終了だからです。ただし吸入がきちんと行えるというのが大前提です。

 

服用すれば効果を発揮するタミフルと違い、イナビルはきちんと吸入できず容器内に薬が残ってしまうケースも報告されています。その場合は効果が落ちますので、対象患者様は慎重に選択する必要があります。

 

次に肺炎などを合併している重篤(重症)なケース。この時は呼吸状態も悪化しており、吸入する事自体が難しいため、リレンザ、イナビルは除外します。

 

肺炎治療に対し抗菌薬を点滴していると思いますし、輸液による栄養管理を行っている可能性もあります。患者様の状態により、タミフルorラピアクタでしょう。

 

タミフルは世界で最も多く使用されていますので、使用経験はラピアクタよりも非常に豊富です。重症例で使用された経験も一番多いため、可能であればタミフルが望ましいでしょう。無理ならラピアクタになるかと思います。

 

あとタミフルドライシロップについて補足を。タミフルドライシロップは苦味があるため、どうしても服用を嫌がる子がいます。

 

人それぞれ好みはありますが、一般的に以下のような物と混ぜると飲みやすく、また飲みづらくなる傾向があります。参考にしてみてください。

 

■相性が良い物(飲みやすくなりやすい)

チョコアイス、ヨーグルト、イチゴヨーグルト、オレンジジュース、スポーツドリンク、ココアなど

 

■相性が悪い物(飲みづらくなりやすい)

バニラアイス、乳酸菌飲料(ヤクルト等)、アップルジュースなど

抗インフルエンザ薬の副作用について

 

副作用はいずれも下痢、悪心(吐き気)、嘔吐などの消化器系の副作用がメインです。やはり特に注意が必要なのは突然興奮したりする異常行動でしょう。

 

この異常行動ですが、抗インフルエンザ薬を使用していなくても、解熱剤だけの使用でも現れることがあります。インフルエンザ自体が引き起こすとも言われています。

 

ただ異常行動は上記抗インフルエンザ薬4剤全てで報告されており、タミフルがその中で一番多いです。そのためタミフルは原則10代には使用しないこととされています。

 

因果関係ははっきりしないものの、特に小児や未成年は少なくとも2日間は患者を1人にさせないことが重要です。親御さんはよく監視していて下さい。

 

それでは抗インフルエンザ薬については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

インフルエンザに対して処方される薬には漢方薬の麻黄湯もあります。興味がある方は以下の記事もどうぞ。

参考記事:麻黄湯の特徴~飲み方や副作用、インフルエンザに有効な理由

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