今回は溶連菌感染症の症状や原因、予防、また治療薬についてもお話していきます。

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溶連菌感染症の原因とは?かかりやすい年齢は?

 

溶連菌感染症と言われると”咽頭炎”が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか?

 

溶蓮菌は今回お話する咽頭炎以外にも、猩紅熱(しょうこうねつ)、丹毒(たんどく)、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、膿痂疹(のうかしん)、肺炎など様々な病気の原因となる場合があります。

 

例えば溶蓮菌が原因である膿痂疹はいわゆる”とびひ”になります。とびひに有効な治療薬や症状、登園(校)のタイミングについて

 

溶蓮菌は実は正式名称ではなく、血性鎖球の略称になります。

 

連鎖球菌は溶血性によりα、β、γに分類され、更にβはA群、B群、C群、G群等に分類されます。ただ溶連菌感染症の起因菌がA群(β)溶血性連鎖球菌であることが多いため、一般的に「溶連菌感染症=A群(β)溶血性連鎖球菌感染症」と認知されているのです。

 

この記事では溶連菌感染症の中で小児に多くみられるA群溶血性連鎖球菌咽頭炎について解説していきたいと思います。

 

かかりやすい年齢ですが、幼児(1歳~6歳未満)、学童期(6~12歳未満)に多く見られますが、成人でも感染することがあります。

溶連菌感染症の潜伏期間と症状

 

感染してもすぐに症状は出ません。感染後発症するまでの潜伏期間は2~5日。その後突然38℃以上の発熱咽頭発赤・疼痛(のどが赤く腫れて痛む)が現れます。嘔吐がみられる場合もあります。

 

その後舌が苺のようにブツブツ赤く腫れたり(イチゴ舌)、痒みを伴う赤い発疹が全身にみられる場合があります。

 

一般的に熱は3〜5日程度で下がり、1週間以内には症状は改善します。予後(病後の経過)は良好です。ただし稀ですが重症化し、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併する場合があります。

 

咽頭炎が治って1~2週間後に高熱・関節痛、血尿、浮腫(むくみ)などが見られる場合は病院を受診することをおすすめします。

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溶連菌感染症の治療法、ワクチンはある?

 

先ほどお話したように原因はA群溶血性連鎖球菌です。これらを退治する薬、抗菌薬(抗生物質)を用います。

 

内用薬ではペニシリン系が第一選択パセトシン、サワシリン、アモリンが処方されることが多いでしょう。セフェム系のフロモックスなども有効です。

 

またペニシリン系にアレルギーがある場合はマクロライド系のジスロマッククラリスが処方されるでしょう。ただしマクロライド系については耐性が増えてきているとも言われています。

 

投与期間についてはペニシリン系は10日間、セフェム系は5日間、マクロライド系はジスロマックは3日間、クラリスは10日間処方されるケースが多いかと思われます。リウマチ熱や急性糸球体腎炎予防のために2週間程度服用の指示が出ることもあるでしょう。

 

薬を服用後2~3日で症状は改善していきますが、医師の指示通り処方された薬はきちんと飲み切るようにして下さい。ちょっと良くなったからといって自己判断で中止すると、再燃してリウマチ熱や急性糸球体腎炎を惹起(じゃっき:引き起こす)することがありますので注意して下さい。

 

ワクチンはありません。

溶連菌感染症の感染経路と予防、消毒方法

 

感染経路としては飛沫感染接触感染となります。

飛沫感染とは?

感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に含まれる病原微生物を、周囲の人が吸い込むことで感染する経路です。

接触感染とは?

感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に汚染された環境や物に接触することで病原微生物が付いた手を介して感染する経路です。

 

流行期はうがい・手洗いをしっかりと行うことが大切です。また子供間でのタオルの共用は避けましょう。

 

原因菌であるA群溶血性連鎖球菌はアルコールが有効です。石鹸と流水による手洗いの後、アルコールによる消毒を行うことでより予防できる可能性が高くなります。

おすすめの消毒薬

弱酸性にすることで、通常のアルコールが効きづらいエンベロープを持たないウイルス(ノロウイルス等)までスペクトルを拡大し、保湿剤も配合された手ピカジェルプラスがおすすめです。

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幼稚園や学校はいつからOK?

 

明確に何日休むなどの指針はありませんが、厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインには

抗菌薬内服後24~48時間経過していることただし、治療の継続は必要

と記載されています。

 

基本的に抗菌薬を服用すると24時間後には感染力は消失していると言われています。もちろん薬は継続する必要はありますが、その時点での体調から判断して、可能ならば登校(園)させてもいいでしょう。

 

ただし先ほどもお話しましたが、治ってから1~2週間は高熱・関節痛、血尿、浮腫(むくみ)などがないか注意し、症状がある場合は病院を受診するようにして下さいね。

溶連菌感染症のまとめ

 

それでは最後に溶連菌感染症についてまとめます。

溶連菌感染症のまとめ

・原因ウイルス
A群溶血性連鎖球菌

・かかりやすい時期
1年を通してみられるが冬~春にかけてにやや多く発生

・かかりやすい年齢
幼児(1歳~6歳未満)、学童期(6~12歳未満)に多いが、成人も

主な症状
発熱、のどの痛み、痒みを伴う発疹、舌がイチゴ状(イチゴ舌)、嘔吐など

・感染経路
飛沫感染、接触感染

・治療薬
ペニシリン系抗菌薬が第一選択。他にセフェム系やマクロライド系も。

・ワクチン
なし

・登園・登校の目安
抗菌薬内服後24~48時間経過

 

それでは溶連菌感染症については以上とさせて頂きます。最後まで読んでいただきありがとうございました。