薬の中でも身近な存在である目薬ですが、大きく分けて点眼薬と眼軟膏に分類されます。それぞれどういった薬なのか、そして何が違うのかについてお話していきたいと思います。

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点眼薬とは?

 

点眼薬は、目に使用しても負担が出ないように調整された薬液のことです。

 

現在様々な種類の点眼薬が発売されており、単純な目の栄養補給目的のビタミンや、緑内障の眼圧コントロールで使用するもの、涙の成分を調節・補充するものなど、目的によって使い分けられています。

 

点眼薬は液体タイプであるため、眼の表面の炎症のほか、眼の奥で起きている変化にも柔軟に対応ができるタイプとなっています。

 

点眼薬は同じような症状でも原因によって使い分けがされています。

 

例えば眼脂(めやに)の治療だとしても、感染症であった場合には抗菌薬の点眼薬が処方されますが、目の乾燥が原因の場合にはドライアイ向けの点眼薬が処方されるというような使い分けがされているのです。

眼軟膏とは?

 

眼軟膏とは、目に使用できるように調整された軟膏のことです。直接まぶたの内側に塗布することが可能であり、軟膏の性質上長時間その効果を目の中で発揮してくれます。

 

点眼薬と異なり、眼の奥まで効果を発揮することは難しいですが、眼の表面に対する効果は点眼薬よりも優れていると言えます。

 

眼軟膏はあまり使用する機会がないものですので、使い方を知らない方も多くいらっしゃいます。眼軟膏の使い方は以下の通りです。

 

眼軟膏の使い方

1:目に使用するものですから、使用前はキレイに手を洗いましょう。
2:まず下まぶたを引き下げて、そこに直接薬剤を塗布します。この時、容器の先端がまつ毛や目じりなどに接触しないように注意しましょう。
3:使用後はまばたきを何度か繰り返すことで目全体に薬剤がいきわたります。

 

目をマッサージするように塗り広げることはほぼ必要なく、逆に負担を与える場合もあるので、医師や薬剤師の指示を守るようにして下さいね。

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両者の違いと使い分け

 

どちらも目の病気に使用されていますが、その大きな違いは剤形の違いによる効果の違いです。点眼薬に比べて眼軟膏は長く患部にとどまるため、より効果が高いとされています。

 

また点眼薬は様々な病気に対応できるように多くの種類が発売されていますが、眼軟膏の種類は少なく、使用できる病気が限られています。その分効果が高いものが多いと言えるでしょう。

 

病気によっては点眼薬と眼軟膏が同時に処方されることもありますが、その場合には使用する順番を考える必要があります。眼軟膏は水をはじいてしまうため、最初に使用すると後の点眼薬の効果を邪魔してしまいます。

 

さらに、点眼薬の中でも懸濁性点眼薬という濁った薬液のタイプでは、吸収されるのに時間を要するため、後に使用することが推奨されています。

 

以上から点眼の順序をまとめると、通常の点眼薬→懸濁性点眼薬→眼軟膏の順がもっとも効果的といえるでしょう。

 

効果を最大限発揮し、また相互作用を抑えるため、それぞれの点眼は5分間の間隔をあけて使用するようにして下さい。

両者の使用上の注意

 

点眼時に薬剤を汚染しないように注意することが大切です。たまに目じりに直接容器の先端をつけて使用している人がいますが、それでは容器の中に目から分泌された成分が混入してしまいます。

 

混入した場合には容器内で雑菌の繁殖が開始されていくので、使用期間内であっても使用できなくなります。たとえ冷蔵庫で保管していたとしても汚染されたものは使用できませんので注意して下さい。

 

薬液を注意して見てみると、時間が経ったものでは白いモヤモヤが確認できるものがあります。それは完全に汚染されているというサインですので、早急に使用を中止してください。

 

点眼薬と眼軟膏、そのどちらにも言えることですが、生物にとって目は非常にデリケートな部分です。負担を掛けないように清潔に保つ努力しなければいけません。

 

市販の点眼薬の場合には防腐剤が大量に添付されているため、開封後も3か月間使用可能(目安)とされていますが、その分防腐剤による炎症のリスクが高くなってしまいます。

 

医療用の点眼薬や眼軟膏であれば防腐剤は少なく、目への負担は減りますが、その分開封後は1か月以内(目安)の使用としなければいけません。

 

実際、製品としての内容量もその期間に準じて設定されているため、残っているからまだ大丈夫と考えるのではなく、きちんと使用期間を守ることが自身を守ることにつながります。

 

安全に最大限の効果を発揮させるためにも、用法・用量、そして開封後の使用期限を守るようにして下さいね。

 

それでは点眼薬と眼軟膏の違いと使い分けについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。