今回はループ利尿薬の1つルプラックについてお話していきます。
ルプラックの名前の由来は?どんな薬?
それではまず名前の由来から。ループ利尿剤は英語で「loop diuretic」です。この中からL、P、U、R、Cを抜き出します。
そして一般名である「トラセミド :Torasemide」の中からAを抜き出し、上記と組み合わせてLUPRAC:ルプラックと命名されました。
ルプラックの作用を簡単に説明すると、「腎臓に働きかけて尿量を増やすことで、血液中の過剰な水分が減少し、浮腫(むくみ)がとれ、血圧が下がる」となります。
詳しい作用機序に移る前に、心不全について簡単に説明していきたいと思います。
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それでは続いて、尿の排泄のしくみについて見て行きましょう。
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ルプラックの作用機序
ヘンレ係蹄上行脚にはNa+-K+-2Cl–共輸送体という部分があります。Na+-K+-2Cl–共輸送体はNa(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)の再吸収に関わっています。
ループ利尿薬のルプラックはNa+-K+-2Cl–共輸送体の働きを邪魔する作用を持ち、これによりNa、K、Clの再吸収が阻害されます。
Naと水は同じ動きをしますので、体の中の余分な水分が排出されることでむくみがとれ、血圧が下がるのです。
ルプラックの特徴、ラシックスとの違い
ルプラックはその作用から浮腫や肺うっ血など体液が過剰であると判断された際に使用されます。
ルプラックの効果をラシックスと比較すると、利尿作用で約10~30倍、抗浮腫作用で約10倍強力とされています。
両者の換算の目安は「ラシックス20mg≒ルプラック4mg」です。
ルプラックは抗アルドステロン作用を持ち合わせているのも特徴の1つ。ここ重要です。
ルプラックによりアルドステロンの働きが邪魔されると、ナトリウムの再吸収、カリウムの排泄が抑えられます。
つまり、ルプラックには他のループ利尿薬と比較して低カリウム血症を起こしにくいという特徴があるのです。
効果発現と持続時間ですが、服用後30分~1時間くらいで作用が発現し、約6~8時間程度持続します。
ルプラックは基本的に午前中に服用します。午後に服用すると夜間頻尿により睡眠を妨げる可能性があるためですね。
ルプラックの用法・用量
ルプラック錠
ルプラックは作用時間が長いため、ラシックスのように朝食後・昼食後の2回に分けて処方されるのはあまり見たことがありません。
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先発品一覧
- ルプラック錠4mg
- ルプラック錠8mg
当院採用の先発品とジェネリック医薬品
- トラセミドOD錠4mg「TE」
たまに粉砕のオーダーがあるので、普通錠からOD錠に変更となりました。ちなみにOD錠はトーアエイヨーのみの販売です。8mgの処方頻度が低いので、4mgを2錠で対応しています。
ルプラックの副作用について
まずは脱水、低ナトリウム血症と低カリウム血症。水分やナトリウム、カリウムの再吸収が阻害されるため、過剰に排泄されてしまう可能性があります。
低ナトリウム血症の症状には体がだるい、のどがかわく、ふらつき、立ちくらみ、動悸など、低カリウム血症の症状には、力が入りづらい、しびれ、脈の乱れなどがあります。
続いてめまいやふらつき。高所作業や自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意しましょう。特に高齢者では出現しやすいです。
他に注意が必要なのは血糖値と尿酸値の上昇です。
ルプラックを長期間服用することで低カリウム血症が出現するとインスリンの分泌が抑えられ、またインスリンの感受性も低下(効きが悪くなる)します。これにより血糖値が上昇します。
またナトリウムの再吸収が邪魔されることにより、近位尿細管での尿酸の再吸収が促され尿酸値が上昇することがあります。必要に応じて高尿酸血症治療薬を併用して対応します。
これらの副作用が現れた場合は主治医に伝えるようにしましょう。飲み始めてから1~2週間の間に現れることが多いです。
ただ服用中は受診の度に血液検査を行う(はず)ですので、下がっても適切な対応をしてもらえます。安心して服用してください。
それではルプラックについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。
