聞いたことはあるけれど、実際には詳しいことを知らない。そんな声が多いのがB型肝炎です。今回はB型肝炎についてお話していきます。

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B型肝炎とは?

 

B型肝炎は、ウイルスにより肝臓に炎症を起こしてしまう病気です。肝臓は体内の解毒や栄養素の調節など、生きていく上でなくてはならない機能を持っています。

 

その肝臓に炎症が起きるということは、これらの機能がうまく作用しなくなってくることを意味しているのです。

 

肝炎を起こす原因は様々ありますが、B型肝炎の原因となるものはHBV(B型肝炎ウイルス)です。ウイルス感染によって発症してしまう病気ですので、しっかりとした知識により、感染の予防や拡大を防ぐことが可能になります。

B型肝炎の潜伏期間と症状

 

B型肝炎はウイルス感染によって発症してしまう病気ですので、潜伏期間というモノが存在します。潜伏期間とは、ウイルスに感染していても症状がない状態であり、実際に発症するまでの猶予期間ともいえるものです。

 

症状がなくてもウイルスは体内に存在しているため、この期間であっても他人に感染させてしまう危険性はありますが、本人に自覚がないために予防するのが困難な時期でもあります。

 

さて、B型肝炎には急性肝炎と慢性肝炎の二種類が存在しています。急性肝炎の場合、B型肝炎ウイルスに感染してから発症するまでに、個人差はありますが1か月から6カ月といわれています。

 

急性肝炎の場合、潜伏期間を過ぎた後に尿の色が褐色に変わり、強い全身の倦怠感や黄疸が起きてきます。通常はそのまま症状は沈静化していき回復するのですが、ウイルスは体内に残ったままです。

 

ただ一部の患者さんでは、発症した後に急激に悪化し、肝機能が働かなくなってしまう劇症肝炎といわれる状態に移行します。そうなった場合には早急に治療しなければ危険な状態といえるでしょう。

 

次に慢性肝炎ですが、これは乳児期での感染によって発症します。乳児の体ではB型肝炎ウイルスに対して免疫が作用しないため、症状がないままに成長してしまうのです。

 

そして、思春期を過ぎたあたりから免疫によるB型肝炎ウイルスへの攻撃が開始され、肝臓にダメージが発生してしまいます。

 

ここから肝炎の症状が起きるのですが、ほとんどの場合は悪化することはなく、ほぼ健康な状態のまま一生を生活することができると言われています。

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B型肝炎の感染経路と予防

 

B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染していきます。ただその感染力はあまり強くないため、B型肝炎の患者さんと握手したとしても、一緒に入浴したとしても感染することはないでしょう。

 

感染する可能性があるものとしては、血液の付着した歯ブラシやカミソリを共用した場合やB型肝炎の患者さんとの性交渉をした場合です。すでにB型肝炎となっている母親から生まれた場合にも感染してしまう危険が高いと言えます。

 

予防するためには、B型肝炎の患者さんの血液が付着している可能性があるものは使用しないことと、性交渉の際にはコンドームを使用することです。出産時における母親からの感染に関しては、事項で紹介するワクチンの接種が有効となります。

B型肝炎の治療薬とワクチン

B型肝炎の治療と薬

B型肝炎の治療は、基本的に完全にウイルスを消し去ることを目指すものではありません。完治させることは、今の医療技術では不可能に近いと言われているからです。ですので、治療の目的は肝硬変や肝がんにならないように、健康に長く生きることとなります。

 

その治療法は大きく分けて二つであり、ウイルスが増えることを抑える抗ウイルス薬を使用した治療と、肝機能を助ける薬を使って肝臓が破壊されることを抑える肝庇護(かんひご)療法です。

 

どちらが良いと一概に言えるものではなく、肝炎の状態や健康状態などから総合的に判断されて治療は進められていきます。

B型肝炎のワクチン

B型肝炎のワクチンについてはあまり聞いたことがないかもしれませんが、以前は任意接種であったものが2016年10月から定期接種へと切り替えられました。それはど、国も重要なものであると認識したと言えるでしょう。

 

一般的には生後2か月から接種していくことになりますが、母親がすでにB型肝炎に感染している場合には、誕生後12時間以内に接種を行います。B型肝炎に感染しないためにも、ワクチンを活用していきましょう。

 

B型肝炎肝炎ワクチンについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

参考記事:ビームゲンとヘプタバックス-Ⅱの違いとは?わかりやすく解説します。

 

それではB型肝炎については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。