今回はマイコプラズマ肺炎についてお話していきます。
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マイコプラズマ肺炎の原因は?季節性はある?
マイコプラズマ肺炎は文字通りマイコプラズマ・ニューモニアエ(Mycoplasma pneumoniae)という病原体が原因となる呼吸器感染症です。
5~9歳に多く見られ、14歳以下で全体の約8割を占めます。マイコプラズマ肺炎は1年を通してみられ、冬にやや増加する傾向にあります。
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間と症状
感染後発症するまでの潜伏期間は2~3週間くらい。結構長めです。
症状ですが、まず風邪のような症状(発熱、頭痛、全身倦怠感)まずみられ、その3~5日後に乾いた咳がみられます。咳は徐々に強くなり、熱が下がった後も3~4週間続くこともあります。
基本的に予後(病後の経過)は良好ですが、中耳炎や鼓膜炎、無菌性髄膜炎、脳炎などがみられる場合もありますので注意が必要です。
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マイコプラズマ肺炎の感染経路・予防法
感染経路は飛沫感染と接触感染と考えられています。
飛沫感染とは?
感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に含まれる病原微生物を、周囲の人が吸い込むことで感染する経路です。
接触感染とは?
感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に汚染された環境や物に接触することで病原微生物が付いた手を介して感染する経路です。
感染拡大防止のため流行期はうがい手洗いをきちんと行い、人混みはなるべく避けましょう。また感染した子供にはマスクを着用させるなど咳エチケットも大切です。
マイコプラズマはアルコールが有効です。手指消毒には手ピカジェルプラスをおすすめします。
マイコプラズマ肺炎に有効な薬やワクチンは?
マイコプラズマ肺炎に有効な薬はクラリスやジスロマックなどのマクロライド系抗菌薬、ミノマイシンなどのテトラサイクリン系抗菌薬になります。
ミノマイシンについては8歳以下では原則として使用しません。理由は歯が黄色く着色したり(黄染歯)、骨の発達に影響する可能性も指摘されており、あくまで他の薬が使えない場合にのみ処方されます。
マイコプラズマは細胞壁を持たないため、ペニシリン系やセフェム系などのβラクタム系抗菌薬は効きませんので注意が必要です。ちなみにワクチンはありません。
マイコプラズマ肺炎の登園の目安は?
日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会作成の「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」には
症状が改善し、全身状態のよい者は登校(園)可能である。
と記載されています。熱が下がり、咳が落ち着いて元気になった
時が登園のタイミングかと思われます。
マイコプラズマ肺炎のまとめ
それでは最後にマイコプラズマ肺炎についてまとめます。
・原因ウイルス
マイコプラズマ・ニューモニアエ
・かかりやすい時期
1年を通してみられるが冬にやや多く発生
・かかりやすい年齢
5~9歳(14歳以下で全体の8割)
・主な症状
発熱、頭痛、全身倦怠感、咳など
・感染経路
飛沫感染、接触感染
・治療薬
クラリスやジスロマックなどのマクロライド系抗菌薬、ミノマイシンなどのテトラサイクリン系抗菌薬
・ワクチン
なし
・登園・登校の目安
咳が落ち着いて元気になった時
それではマイコプラズマ肺炎については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。