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芍薬甘草湯の作用機序と特徴、副作用、注意事項:ツムラ68


今回は漢方薬の芍薬甘草湯についてお話していきます。

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芍薬甘草湯の名前の由来は?

 

芍薬甘草湯は芍薬(シャクヤク)甘草(カンゾウ)の2つの生薬から構成されており、その両者を組み合わせて芍薬甘草湯と命名されています。

芍薬甘草湯の作用機序と特徴

 

芍薬甘草湯は筋肉の痙攣に関して多く使用されている漢方薬です。こむら返りに多く使用されていますが、痙攣や引きつりに伴って発生している腹痛などにも効果があります。尿路結石による疝痛など、様々な痛みに効果を発揮してくれるのです。

 

冒頭でお話した通り、含まれている生薬は甘草と芍薬のみで、配合されている生薬が少ない分、効果の発現も比較的早いタイプの漢方薬です。漢方薬は証を判断して処方されていますが、この漢方薬に関しては証を考慮することなく、様々な痛みに対して使用することができます

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添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果/用法及び用量

急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

芍薬甘草湯が効果を発揮する薬理作用

・抗アロディニア作用
・ノルアドレナリン神経系活性化作用
・子宮筋収縮抑制作用
・中枢性鎮痛作用
・末梢性筋弛緩作用

 

芍薬甘草湯はノルアドレナリン神経系を活性化することで、痛みが神経を伝わっていくのを抑制しています。ノルアドレナリン神経系は痛みを穏やかにする機能を持っているため、その神経系が刺激されることで中枢性の鎮痛作用を発揮するのです。

 

さらに、通常の筋肉の働きを邪魔することなく、筋肉が痙攣するのを抑える効果があります。通常の筋弛緩薬では筋肉の活動はすべて邪魔してしまいますが、芍薬甘草湯はそういった心配がないことから使用しやすい漢方薬として知られています。

 

筋収縮は細胞内のカルシウムの濃度の変化によって起きています。筋肉細胞にカルシウム濃度が高くなることで筋肉の収縮が起き、濃度が低くなれば収縮が収まります。

 

このカルシウムの働きをスタートさせるためには一定のエネルギーが必要なのですが、このエネルギーを作り出すためにカリウムが働いています。芍薬甘草湯は含まれている生薬自体の効力は小さいですが、それらが混ざり合って作用することで強い効果を発揮していることが判明しています。

 

芍薬が筋肉の中でカルシウムが働くのを抑制し、甘草がカリウムの排泄を促進することで筋肉が過度に痙攣しないようにする作用を発揮しているのです。

アロディニア:通常であれば痛みやしびれが発生するような刺激ではないものを痛みとして感じてしまう病気であり、芍薬甘草湯では抗悪性腫瘍薬であるタキソール(パクリタキセル)によって誘発されたアロディニアに対しての効果が認められています。

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芍薬甘草湯の副作用

 

漢方薬の副作用は、ほぼ含まれている生薬によって決まります。芍薬甘草湯では含まれている甘草による副作用として、頻度不明ですが偽アルドステロン症やミオパチー、肝機能障害の報告があるので注意が必要です。これらの症状としては血圧の上昇やむくみ、脱力感などがあります。

ミオパチー:ここでは難病である先天性ミオパチーではなく、薬剤性ミオパチーを指しています。薬剤性ミオパチーは何らかの医薬品の影響で筋肉が痩せていき、力が入りにくいという自覚症状を伴います。服用を中止することで改善することが可能です。

 

また、カリウム値の変動によって心臓に負担を掛けてしまった場合、うっ血性心不全や心室細動、心室頻拍、他に薬剤性間質性肺炎についての報告があり、その兆候として呼吸困難、発熱、異常な呼吸音などがあります。なにか異常を感じた場合には服用を中止し、処方医の指示を仰ぎましょう。

 

その他の副作用としては発疹、掻痒感。肝機能検査値の異常や悪心、嘔吐、下痢。低カリウム血症に伴う動悸などがあります。

芍薬甘草湯の飲み方と注意事項

 

芍薬甘草湯はもともと液剤だったものを抽出して散剤にしたものです。ですので、服用時にはそれに即してぬるめのお湯で服用したほうが効果的だと言われています。約60度のお湯が最も効果的であり、あまりに熱いお湯では有効成分が揮発してしまうので注意が必要です。

 

高齢者が服用する場合には、生理機能が低下している可能性から、減量など服用量の調節が必要な場合があります。自己判断で使用はせず、医師の指示を守るようにして下さい。

 

妊婦に関して、添付文書では

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

と記載されています。

 

ただ、漢方薬を現代に伝えている「金匱要略(きんきようりゃく)」では胎児に対して安全な漢方薬と判断されており、日本臨床漢方医会でもその旨を記述しています。

 

医師が必要性を判断して処方した場合には問題ないものと思われますが、自己判断での使用はせず、医師の指示に従って用いるようにして下さいね。

 

それでは芍薬甘草湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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