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ベタニス(ミラベグロン)の作用機序と副作用|β3受容体刺激薬

老人女性腹痛

今回は過活動膀胱治療薬でβ3受容体作動薬の「ベタニス」についてお話していきます。

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ベタニスとは?

 

まずは名前の由来からいきましょう。詳しい作用機序は後述しますが、ベタニスはβ3受容体を刺激する作用があり、これを英語で”Beta 3 agonist”と言います。

 

agonist(アゴニスト)の意味は刺激薬、作動薬などと同義であり、受容体に結合することでその受容体を活性化させ、本来の生理機能を発現させるものと思って頂ければいいでしょう。

 

話を戻します。名前の由来は”Beta 3 agonist”の先頭のBetaと末尾のnisを組み合わせBETANIS:ベタニスと命名されました。一般名はミラベグロンです。

 

ベタニスの作用機序を簡単にお話すると「膀胱の筋肉を緩めることで、頻尿や尿失禁などの症状を改善する」となります。

 

それではまず過活動膀胱についてお話していきましょう。

過活動膀胱とは?

 

過活動膀胱とはその名の通り膀胱が過剰に活動すること、つまり自分の意に反して勝手に収縮する膀胱の機能障害を意味します。これにより以下の様な症状が現れます。

 

急に尿がしたくなり我慢できない”尿意切迫感”、尿意切迫感の後に尿が漏れてしまう”切迫性尿失禁”、日中トイレが近い”昼間頻尿”、夜中トイレが近い”夜間頻尿”

 

ここで蓄尿と排尿のしくみについて簡単にお話しておきます。蓄尿とは文字通り尿をためること、排尿とは尿を排出することです。これらは自律神経により支配されています。

 

脳は膀胱内に尿がある程度たまるまでは、排泄しないよう命令を出します。

 

具体的には膀胱を弛めてたくさん尿をためることができるようにし、また尿が漏れないように尿道を閉めるということを行います。これを行わなければ常に尿が出っぱなしということになります。

 

そして尿がたくさんたまってくるとまたその情報が脳に伝わります。すると脳は「そろそろ出すか」ということで、膀胱を収縮させ、更に尿道を開くことで尿が出るのです。

 

膀胱の弛緩、収縮を行っているのが膀胱排尿筋、尿道の弛緩、収縮を行っているのが尿道括約筋です。

 

交感神経から放出されるノルアドレナリンにより膀胱排尿筋は弛緩、尿道括約筋は収縮します。副交感神経から放出されるアセチルコリンにより膀胱排尿筋は収縮、尿道括約筋は弛緩します。

 

過活動膀胱は尿があまりたまっていないのに膀胱排尿筋が勝手に収縮してしまう状態のこと。だったらノルアドレナリンやアセチルコリンをどうにかできれば症状が改善できるような気がしますよね。

 

それでは今回のお薬”ベタニス”の作用機序についてお話していきましょう。

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ベタニスの作用機序と特徴

 

先ほど交感神経から放出されるノルアドレナリンにより膀胱排尿筋が弛緩、尿道括約筋は収縮するとお話しました。具体的にはノルアドレナリンが膀胱排尿筋のアドレナリンβ3受容体を刺激することにより膀胱排尿筋が弛緩します。

 

ここで今回のベタニスの登場です。

 

ベタニスはノルアドレナリンと同様にβ3受容体を刺激する作用を持ちます。これにより膀胱排尿筋が緩み、尿を溜めることができるようになるのです。

 

ベタニスには抗コリン作用がありません。そのため口渇や便秘などの副作用が少ないという特徴があります。ただし少ないとはいえゼロではありませんので一応注意が必要です。

ベタニスの副作用

 

発現頻度が少ないものの、口渇や便秘の副作用が現れる可能性があります。他にもγ-GTPをはじめとする肝機能データの上昇等が報告されています。

 

またベタニスはβ3受容体に選択性が高く心臓への影響は少ないとされていますが、心拍数の増加などがみられる可能性があります。そのため重篤な心疾患を有する患者様には禁忌となっています。

ベタニスの注意事項

 

ベタニスは徐放性製剤です。当然ですが割ったり噛み砕いたりするとその構造が壊れてしまい、急激に血中濃度が上昇して副作用が発現する可能性があります。服用する際は注意して下さい。

 

またベタニスは”食後”で服用することになっています。空腹時に服用すると血中濃度が上昇する可能性がありますのでこちらも注意が必要です(食後であれば時間は問わず)。

 

続いて妊婦、授乳婦の方は投与することはできません。禁忌です。動物実験(ラット、ウサギ)で胎児の着床後死亡率の増加や奇形が、また同じく動物実験(ラット)で乳汁への移行が認められており、出生児の生存率の低下や体重増加が抑制なども報告されています。

 

また生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。と警告にて注意喚起がなされています。これは動物実験(ラット)で精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められているためです。

 

ベタニスは主に肝薬物代謝酵素CYP3A4にて代謝されます。そのため重度の肝機能障害の患者様では血中濃度が過度に上昇する可能性があり禁忌となっています。中等度の肝機能障害は慎重投与となっており、減量して対応します。

 

またのCYP2D6を阻害する作用も持ちあわせており、この酵素で代謝される抗不整脈薬である”プロノン(プロパフェノン)”や”タンボコール(フレカイニド)”とは併用禁忌となっています。※血中濃度上昇によりQT延長、心室性不整脈などを起こす可能性。

 

他にも併用注意のお薬が複数あります。必ずお薬手帳などで現在服用中のお薬を医師、薬剤師にお伝えするようにして下さいね。

 

それではベタニスについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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