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牛車腎気丸の作用機序と特徴、副作用

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今回は漢方薬の牛車腎気丸についてお話していきます。

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牛車腎気丸の名前の由来は?

 

牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝(ゴシツ)と車前子(シャゼンシ)の2つの生薬を加えた製剤になります。八味地黄丸の別名は「腎気丸」。これに先程の牛膝、車前子からそれぞれ1文字を取って組み合わせ、牛車腎気丸と命名されています。

牛車腎気丸の作用機序と特徴

 

牛車腎気丸は腰痛などに対して使用される漢方薬で、含まれている生薬は地黄(ジオウ)、牛膝(ゴシツ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、茯苓(ブクリョウ)、沢瀉(タクシャ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子(ブシ)、車前子(シャゼンシ)です。

 

添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果

疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

含まれている生薬の作用から、身体を温めながら血流や体内の水分量を調節することにより上記の効果を発揮していると考えられます。牛車腎気丸が効果を発揮する証は虚証・寒証・湿証であり、体力があまりなく、体が冷えやすく、体内水分量の調節ができずにむくんでいる人に効果的です。

 

牛車腎気丸が効果を発揮する薬理作用は以下のものが研究されています。

・痛みの神経伝達を穏やかにする作用
・抗アロディニア作用と抗侵害受容器作用
・血流低下改善作用
・膀胱過活動の抑制作用

 

牛車腎気丸がこれらの作用を発揮していくのは多数の生薬による複合作用であり、正確に作用機序として解説するのは難しいものではありますが、研究結果により判明している点もありますので、その分野に関して紹介していきます。

 

牛車腎気丸が効果を発揮していくのは、脳内ホルモンの分泌によるものです。脳内モルヒネとも言われているダイノルフィンを分泌させることにより、全身のオピオイド受容体への作用を発揮します。

 

オピオイド受容体は存在している部分によってその効果が異なります。神経に存在しているオピオイド受容体は強い鎮痛効果を発揮するものであり、神経障害性のしびれや脊柱管の神経障害による痛みを緩和してくれます。痛みに対しては別な作用機序の存在も示唆されていますが、現在研究が進められている段階です。

 

膀胱にあるオピオイド受容体への作用により、過活動膀胱による尿意切迫感を抑えてくれます。膀胱括約筋での作用ではないため、他の薬剤に見られるような排尿困難や尿閉の可能性が低いことより、証が合っているのであれば使用しやすい医薬品と言えるでしょう。

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牛車腎気丸の副作用

 

牛車腎気丸では副作用が明確になる調査は行われていません。そのため、その発現頻度に関するデータも存在しておらず、どのくらいの頻度で起こるのかが不明です。重大な副作用の報告もあるため、使用する際にはその兆候となる症状に注意しなければいけません。

 

重大な副作用として間質性肺炎の報告があります。間質性肺炎の初期症状として呼吸困難、咳、発熱、異常な呼吸音などがあります。他に肝機能異常の報告もあります。頻度不明ですが肝機能検査値の異常な上昇に伴う黄疸がみられる場合があります。

 

これらの症状が現れた場合には速やかに服用を中止し、処方医の指示を仰ぎましょう。

 

その他、発生する可能性のある副作用として発疹や掻痒感を伴う過敏症、食欲不振・胃部不快感、悪心・嘔吐、腹部膨満感、腹痛、下痢便秘などの消化器症状、のぼせや心悸亢進などがあります。

牛車腎気丸の注意事項

 

牛車腎気丸はそれぞれの生薬を粉砕・混合して丸薬として作られた薬です。販売されている形状は粉薬がほとんどですが、その効果に変わりはありません。

 

最初の形が丸薬ですので、漢方薬でよく言われているお湯に溶かして服用するということをする必要はありません。ですが、含有されている生薬の性質として、温めた方が効果をより発揮してくれるものとなります。お湯に溶かす必要はありませんが、お湯での服用が効果的です。

 

注意点として、証に合っていない人が服用した場合、効果を感じることができず、副作用発現の可能性が高くなってしまうため気を付けなければいけません。体力の充実している人や暑がりでのぼせ気味の人、胃腸がひどく弱っている人などは服用しない方が良いでしょう。

 

含有生薬として附子があるため、他の漢方薬との併用をする際には重複して過量投与にならないように注意が必要です。過量になった場合、動機、悪心、嘔吐がみられる場合があります。

 

また、牛車腎気丸は妊娠中の服用はおすすめできない医薬品です。含まれている牛膝、牡丹皮により、流産・早産の危険性が増すという報告があり、副作用も現れやすくなってしまうため、自己判断で服用するのは避けるようにして下さい。

 

それでは牛車腎気丸については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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