病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

白虎加人参湯の作用機序と副作用~ドライマウス、口臭、アトピーにも


今回は漢方薬の白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)について解説します。

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白虎加人参湯の名前の由来

 

白虎湯に人参を加えた処方ということで、白虎加人参湯と命名されています。そのまんまですね。

白虎加人参湯の作用機序と特徴

 

白虎加人参湯はのどの渇きや口渇、ほてりなどに用いる漢方薬で、含まれている生薬は石膏(セッコウ)、粳米(コウベイ)、甘草(カンゾウ)、人参(ニンジン)、知母(チモ)です。

 

名前にある通り白虎湯に人参を加え、滋養作用を強化した漢方薬となっています。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。

関連記事漢方薬の処方の基本~証、陰陽、虚実、気血水とは?

 

白虎加人参湯に適応のある証は実証・熱証・燥症の人で、比較的体力があって熱っぽく、口が渇くタイプの人に向いている漢方薬です。

 

添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果
のどの渇きとほてりのあるもの

用法及び用量
通常、成人1日9.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

漢方薬では科学的な薬理作用が解明されていない場合が多い中、白虎加人参湯の口渇に対する作用はある程度解明が進められています。

 

唾液の分泌を支配している舌下腺支配神経遠心性活動を促進させ、抗コリン剤などを要因とする機能低下も抑制することが知られています。

 

唾液の分泌低下を予防できるため口渇(ドライマウス)に対して効果的に作用し、口内の乾燥を原因とする口臭の予防・改善が期待できます。

 

糖尿病における口渇・多尿に対しても改善効果を発揮できるという報告もあり、更に服用によって一過性の血糖値降下作用を発揮するという研究も存在します。ただし、その効果に関してはいまだに賛否両論がある状態です。

 

白虎加人参湯を構成する生薬は、体に蓄積してしまった熱を放散させる効果を持っています。

 

アトピーの病態として、急性期には皮膚表面のほてりを訴える場合が多く、白虎加人参湯を服用することによって顕著にほてりを改善できるという報告が存在するため、アトピーにも効果的。また速やかに効果が発揮されるため、増悪時にも有用な漢方薬です。

 

一部では保護作用がある皮脂を皮膚表面に分泌させるという報告もありますが、こちらについては明確な研究結果は発表されていません。

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白虎加人参湯の副作用

 

白虎加人参湯では副作用の発現頻度が明確になる調査を行っていないため、その詳しい発生頻度は不明です。重大な副作用としては甘草に由来するものが報告されており、使用する際にはその兆候となる症状に注意が必要です。

 

低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫を引き起こしてしまう偽アルドステロン症、前述の低カリウム血症の結果として筋肉の動きに悪影響を与えてしまうミオパチーの発生が報告されています。それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

 

その他の副作用として、肝機能検査値の異常値、食欲不振や胃部不快感などの消化器症状、発疹や掻痒感などの過敏症状の報告があります。服用中にこれらの症状が現れた場合は、かかりつけの医師、薬剤師に伝えるようにして下さい。

白虎加人参湯の飲み方と注意事項

 

白虎加人参湯は1日2~3回に分けて空腹時に服用するのが効果的です。もし服用を忘れて食事をしてしまった場合には、効果は減弱してしまう可能性はありますが、気づいた時点で服用しても構いません。

 

白虎加人参湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。ですので、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。

 

あまりに熱いお湯では、薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

白虎加人参湯は実証向けの漢方薬であるため、著しく胃腸虚弱がある場合や体力低下している場合には、食欲不振や胃部不快感などの副作用が発現しやすくなってしまいます。使用時には状態の判断をしっかりとしていくことが大切です。

 

有効成分の重複には注意を要するものがあり、甘草を含む漢方薬の併用には注意しなければいけません。

 

前述している甘草による副作用が発現してしまう可能性があるため、甘草を含有している漢方薬はもちろん、甘草の有効成分として含有されているグリチルリチン酸を使用している医薬品も同様に注意する必要があり、併用注意となっています。

 

添付文書では、妊娠中の使用は有益性が危険性を上回る場合に使用することとなっています。胎児や母体に対して不利益が出るような漢方薬ではないと考えられますが、自己判断での使用は避け、必ず医師の判断に従いましょう。

 

それでは白虎加人参湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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