今回は筋緊張改善剤のミオナールについて解説します。

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ミオナールとは?

 

ミオナール筋緊張改善剤です。そこで筋につける接頭語である”Myo”からMyonal:ミオナールと命名されています。一般的はエペリゾンです。

 

ミオナールの効能効果、用法用量は以下です。

効能又は効果/用法及び用量
下記疾患による筋緊張状態の改善
頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、腰痛症
下記疾患による痙性麻痺
脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患

用法及び用量
錠50mg
通常成人には1日量として3錠(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
顆粒10%
通常成人には1日量として1.5g(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ミオナールの添付文書より引用

 

ミオナールの作用を簡単に説明すると「筋肉の緊張をほぐし、つっぱり、こわばり、痛みなどの症状を緩和する」になります。

 

それではもう少し詳しくみていきましょう。

ミオナールの作用機序と特徴

 

筋肉の緊張が持続すると、そこを通過している血管も圧迫されることで血液の流れが悪くなってしまいます。すると老廃物の代謝がうまく出来なくなることで蓄積し、痛みが発生します。

 

ミオナールは筋肉の緊張を和らげながら、鎮痛効果も併せて発揮することで様々な状態を改善に導きます。その効果は穏やかながら、副作用の危険性が低いために臨床の場で多く使用されています。

 

ミオナールには複数の効果が確認されており、1つが運動神経の一種であるγ‐運動ニューロンの働きを抑制するというもの。脳から「筋肉を収縮させろ」という情報が運動神経に伝わるのが抑制されることで、間接的に筋緊張を緩和しているとされています。

 

ただこの反応は動物実験によってその効果が実証されているだけであり、どのような受容体を介して効果を発揮しているのかについてはハッキリと解明されていません。

 

もう1つが血管平滑筋弛緩作用。これにより筋肉の緊張によって滞った血液の流れをスムーズにする効果が期待できます。

 

ミオナールの鎮静・鎮痛作用は比較的穏やかな効果となっています。ただこれは眠気などの副作用が少ないという利点にもなります。

 

ミオナールは筋緊張が原因の痛みの他、術後後遺症の改善目的としても使用されます。自発的な筋肉の動きを円滑にする効果も持っており、リハビリにおける補助薬としても活躍しています。

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ミオナールの副作用

 

めまい、ふらつき、眠気などが報告されているため、ミオナール服用中は自動車の運転など危険を伴う行動は避けるようにしましょう。

 

重大な副作用として以下の報告がありますので注意が必要です。初期症状も併記します。

ショック・アナフィラキシー様症状:発赤や掻痒感、呼吸困難や顔面のむくみなど

中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群):発熱や紅斑、眼充血、水疱、口内炎など

 

その他の副作用として、肝機能検査値の異常、尿蛋白やBUN上昇などの腎臓症状、眠気や不眠、四肢のしびれや震えなどの精神神経系症状、悪心、食欲不振、胃部不快感などの消化器症状、残尿感や尿閉などの泌尿器症状、脱力感や倦怠感などの全身症状、ほてりやむくみ、貧血などが報告されています。

ミオナールの相互作用

 

既に販売中止となっている筋弛緩薬のムスカルムとメトカルバモール(商品名:ロバキシン)を併用した場合、機序が不明ながら眼の調節不良が起きたという報告があります。類薬のミオナールでも注意が必要です。

 

メトカルバモールはOTCとしても発売されています(商品名:ドキシン錠)。服用している方は医師、薬剤師に伝えるようにして下さいね。

 

それではミオナールについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。