今回は抗アレルギー薬のアレサガテープについて解説します。薬価については未収載です。

スポンサーリンク

アレサガテープとは?

アレサガテープは久光製薬が発売する経皮吸収型のアレルギー性鼻炎治療薬です。

 

2018年1月に製造承認されたものであり、アレルギー性鼻炎治療薬において経皮吸収型の製剤は日本初。経皮薬物送達システムを活用して、外用薬でありながら安定した血中濃度を維持することに成功した製剤となっています。

 

アレサガテープの成分であるエメダスチンは、内服薬としてすでに販売されているレミカットカプセル(興和創薬)と同成分です。

 

名前の由来は特にないようですね。

 

アレサガテープの作用を簡単に説明するとアレルギーの原因となる化学伝達物質ヒスタミンがヒスタミン受容体に結合するのを抑えるとともに、他の化学伝達物質の放出も抑え、症状を改善する」となります。

アレサガテープの作用機序と特徴、レミカットとの違い

アレルギー物質が体内に侵入すると、体内の免疫物質がアレルギー物質に対して抗体を作り、その物質を除去するために動き出します。その過程において、体内ではヒスタミンを含む多くの化学物質が肥満細胞から放出されます。

 

これらの化学物質は、血管透過性を亢進させ炎症反応を起こしてしまいます。その結果、皮膚や粘膜においては痒みとして認識され、皮膚の痒み、目のかゆみなどを引き起こします。

 

鼻の内部の炎症では、鼻炎として鼻汁の分泌が亢進されるほか、内部の血管拡張によって鼻詰まりも誘起され、アレルギー性鼻炎となって認識されます。

 

アレサガテープは、免疫反応の過程で放出されるヒスタミンがH1受容体に結びつくのを阻害し、肥満細胞から他の化学物質の分泌を抑制する効果も併せて発揮しています。

 

内服薬のレミカットでは、最高血中濃度到達時間が3.1時間、消失半減期が7時間となっているため、安定した効果を発揮するためには1日2回服用が必要でした。

 

しかしアレサガテープでは、テープ剤から一定量を常に放出することによって体内での血中濃度を一定に保つことに成功しており、1日1回貼付が可能となっています。

 

アレサガテープ単回投与ではおおよそ15時間程度で最高血中濃度付近まで上昇し、その後は24時間経過後まで血中濃度は一定のラインで維持されています。

 

またテープ剤ということもあり、嚥下能力が低下して経口投与が困難な高齢者などにも有用です。食事による投与タイミングに制限がないのも介護者にとって喜ばれるでしょう。

スポンサーリンク

アレサガテープの効能効果・用法用量

アレサガテープの効能効果・用法用量をみる

効能又は効果
アレルギー性鼻炎

用法及び用量
通常、成人にはエメダスチンフマル酸塩として1回4mgを胸部、上腕部、背部又は腹部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える。なお、症状に応じて1回8mgに増量できる。

アレサガテープの副作用

アレサガテープの使用者には約19%に副作用が認められています。

 

抗ヒスタミン作用に由来するものと、テープ剤の剤型に由来しているものとに分けられ、適用部位紅斑(10.9%)、適用部位掻痒感(4.5%)、適用部位丘疹(2%)、眠気(4.9%)が主な副作用となっています。他に肝機能検査値の上昇や血液検査値の変動が報告されています。

 

眠気の報告がありますので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作は避ける必要があります。タクシー運転手の方などは運転に制限のないアレグラやディレグラ、デザレックス、ビラノアが推奨されます。

アレサガテープの使い方と注意事項

アレサガテープは約24時間ごとの交換となります。入浴前の交換がおすすめです。また皮膚への刺激を避けるため、貼り替えごとに部位を変えるようにしましょう。

 

傷や湿疹など、通常の皮膚状態ではない箇所への使用は、血中濃度の変動の原因となるので避ける必要があります。

 

24時間以内にはがれてしまった場合では、はがれたものは廃棄して未使用のアレサガテープを貼付します。そして次の交換時に新しいものと貼り替えるようにしてください。

 

それではアレサガテープについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

出典:
アレサガテープ4mg/8mg 添付文書・インタビューフォーム
レミカットカプセル1mg/2mg 添付文書・インタビューフォーム
アレサガテープ4mg/8mg 患者向医薬品ガイド
久光製薬「アレサガテープ 国内製造販売承認取得のお知らせ」