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ウリアデック・トピロリック(トピロキソスタット)の作用機序と副作用|痛風関節炎

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今回は高尿酸血症治療薬で選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤のウリアデック・トピロリックについてお話していきます。フェブリクとの違いについても触れていきます。

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ウリアデック・トピロリックとは?

 

それでは名前の由来からいきます。まずはウリアデック。尿酸は英語で「uric acid」、減らすは「decrease」文字通り「尿酸を減らす」という意味を込めてURIADEC:ウリアデックと命名されました。

 

続いてトピロリック。本剤の一般名はTopiroxostat:トピロキソスタットです。”Lower”は下げる。”Uric Acid”は尿酸。ここから”Topi”、”Lo”、”ric”を抜き出して組み合わせ、TOPILORIC:トピロリックと命名されました。

 

ウリアデック・トピロリックの効能効果、用法用量は以下です。

効能又は効果
痛風、高尿酸血症

用法及び用量
通常、成人にはトピロキソスタットとして1回20mgより開始し、1日2回朝夕に経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1回60mgを1日2回とし、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1回80mgを1日2回とする。

用法及び用量に関連する使用上の注意
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は1回20mgを1日2回から開始し、投与開始から2週間以降に1回40mgを1日2回、投与開始から6週間以降に1回60mgを1日2回投与とするなど、徐々に増量すること(「臨床成績」の項参照)。なお、増量後は経過を十分に観察すること。

ウリアデックの添付文書より引用

 

ウリアデック・トピロリックの作用を簡単に説明すると『尿酸の生成を抑えることで尿酸値を下げる』となります。

 

これだけ見るとフェブリクと同じですよね。ですがウリアデック・トピロリックの作用機序はちょっと異なります。それではもう少し詳しく見て行きましょう。

ウリアデック・トピロリックの作用機序

 

尿酸の生成過程

ちょっと尿酸生成の流れをおさらいしますね。「ヒポキサンチン → キサンチン → 尿酸」。矢印の部分で同じ酵素が代謝に関わっており、その酵素の名前をサンチンオキシダーゼ(以下XOR)と言うのでした。

 

XORには穴(ポケット)が開いています。通常はポケットの中にヒポキサンチンやキサンチンが入り込み、酵素内部で代謝され出ていきます。

 

ウリアデックはXORのポケットに入る事ができます。ウリアデックはポケットの内部の形と非常によく似た構造をしておりピッタリはまります。その上XORと共有結合や水素結合など様々な力により約20~21時間強力に結合し続けます。

 

XORのポケットはウリアデックにより埋め尽くされ、ヒポキサンチンやキサンチンは中に入ることができなくなる、つまりXORが作用できなくなります。その結果尿酸の生成が抑制されるのですね。

 

ザイロリック(アロプリノール)はXORを自身の代謝に優先的に使います。そして代謝物のオキシプリノールがXORに結合して、その働きを失わせる事で尿酸生成を抑制します(上図参照)。

 

ウリアデックはXORに長時間結合し続けます。その結果ヒポキサンチンやキサンチンが結合できなくなる事で尿酸生成を抑制します。一言でキサンチンオキシダーゼ阻害と言っても違うのがお分かり頂けましたか?

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ウリアデック・トピロリックの特徴とザイロリック、フェブリクとの違い

 

消失経路について。ザイロリックは未変化体と代謝物のオキシプリノールが主に尿中に排泄(腎排泄)されます。一方ウリアデックは尿中と便中にバランスよく排泄(腎排泄・胆汁排泄型)されます。

 

そのため、ザイロリックは軽度でも腎機能障害のある方は減量する必要がありますが、ウリアデックは軽度~中等度の腎機能障害の患者様には減量する必要がありません。重度の腎機能障害の方は慎重投与となっています。

 

ここまではフェブリクと概ね同じですが、服用回数が異なり、フェブリクの1日1回に対し、ウリアデックは1日2回です。

 

「服用回数を減らすことがアドヒアランス向上に繋がるのに1日2回なんて時代に逆行している」なんておっしゃる方もいるかもしれません。

 

確かにその通りですが1日2回にする事でメリットがあるとしたらどうでしょうか?

 

ウリアデック、フェブリクともに服用初期は尿酸値が急激に低下することで、段階的に増量しても痛風関節炎が出現する可能性があります。これはある意味仕方のないものです。

 

重要なのは尿酸値が安定した後です。フェブリクは1日1回の服用ですが、XORの寿命である約36時間XORに結合し続けるとされています。

 

しかしフェブリクは尿酸値の日内変動(1日の変動幅)が1日2回のウリアデックよりも大きく、尿酸値が安定した後の痛風関節炎の出現率はウリアデックの方が低いとされています。

 

痛風・高尿酸血症の患者様は高血圧や糖尿病等を合併していることが多いため、他に服用されている薬もあることから1日2回という部分はそれほどデメリットではないかもしれません。

 

ただ言っておきますが、尿酸値安定後に痛風関節炎が出現しないのならばどちらを服用されても問題はありません。患者様が他に1日1回の薬のみ服用されているのであればフェブリクにする等、多角的に選択して頂ければと思います。

 

ただしフェブリクを服用して、尿酸値が正常化した後も痛風関節炎が見られる場合はウリアデックに変更するのも一つの方法かと思います。

 

あともう1点ウリアデックの特徴としてアルブミン尿を改善するというものがあります。これは作用機序がまだ解明されていないようですが、ウリアデックには副次的な効果があるようです。

ウリアデック・トピロリックの相互作用

 

続いて相互作用(飲み合わせ)の注意です。代謝拮抗薬のアザチオプリンメルカプトプリンはキサンチンオキシダーゼにより代謝されます。

 

アロプリノール同様、ウリアデックもキサンチンオキシダーゼを阻害するためこれらの薬の血中濃度が上昇する可能性があります。お薬手帳を忘れずに医師、薬剤師に見せるようにしましょう。

ウリアデック・トピロリックの副作用

 

作用が結構強力なので、徐々に増量しても尿酸値が急激に低下する事があり、結果痛風発作を起こすことがあります。その時はNSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)を使用します。場合によりステロイドも使用します。

 

ALT(GPT)、AST(GOT)上昇を伴う肝機能障害や多形紅斑も報告されていますので注意が必要です。

 

ザイロリックで見られた再生不良性貧血、汎血球減少等の血液障害、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)の報告はないとされています。

 

これはウリアデックがプリン骨格を持たず、他の核酸代謝酵素を阻害しないため、XORのみを選択的に阻害できることによります。

 

それではウリアデック・トピロリックについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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