今回は夏風邪御三家の一つ。プール熱(咽頭結膜熱)についてまとめていきます。

 

プール熱は感染力がかなり強いので注意が必要です。

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プール熱(咽頭結膜熱)の原因は?

アデノウイルス(主に3型)が原因で、感染力が非常に強いです。特に7型が重症肺炎を起こすと言われています。

 

ウイルスが原因ということは…そう、抗菌薬(抗生物質)は全く効きません。家に残っている抗菌薬を自己判断で服用するような事は止めましょう。

 

また、それぞれ型がいくつかあるため、一度感染しても人によっては何回も感染する可能性があります。

プール熱(咽頭結膜熱)はいつ流行する?かかりやすい年齢は?

プール熱は毎年6~8月に流行する代表的な夏風邪の一つです。最近は冬でも流行することがあります。

 

かかりやすい年齢ですが、5歳以下の子供に多く、全体の6割を占めます。

 

夏にプールを介して感染する事が多いため”プール熱”と呼ばれています。

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プール熱(咽頭結膜熱)の潜伏期間と症状

感染してもすぐに症状は出ません。感染後発症するまでの潜伏期間は2~14日

 

発熱、咽頭炎、結膜炎が三大症状です。咽頭結膜熱と呼ばれるのはそのためです。

 

熱は39~40℃、扁桃腺が腫れて喉の痛みもあります。眼の方は充血、痛み、眼脂(めやに)、流涙(涙が止まらない)などが現れます。

 

他にも頭痛や吐き気、腹痛や下痢などを伴う場合もあります。これらの症状が3~7日続きます。

 

そのため食事や水分が十分に摂れず、夏場は特に脱水を起こす可能性がありますので、こまめな水分補給を心掛けて下さい。予後(病後の経過)は良好です。

 

ただし非常に稀ですが、髄膜炎、心筋炎、肺炎などを合併する可能性もあります。頭痛・嘔吐が見られる場合は病院を受診されることをおすすめします。

プール熱(咽頭結膜熱)の感染経路と予防、消毒方法

感染経路としては飛沫感染接触感染となります。

・飛沫感染とは?

感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に含まれる病原微生物を、周囲の人が吸い込むことで感染する経路です。

・接触感染とは?

感染者が咳やくしゃみをした時の水しぶき(飛沫)に汚染された環境や物に接触することで病原微生物が付いた手を介して感染する経路です。

例えば感染者のくしゃみや咳などによる水しぶきが直接目や口に入ることで感染します。また水しぶきが付着したおもちゃやタオルなどを介して感染することもあります。

 

水泳前後はしっかりシャワーで体や目を洗いましょう。うがいも忘れずに行って下さい。またウイルスが便に排出されますので、おむつなどの処理の後はしっかりと手洗いを行う必要があります。

 

プール熱は治癒しても、咽頭から14日程度、便からは30日程度はウイルスが排泄される可能性があります。1ヶ月は油断禁物です。

 

またアデノウイルスは消毒薬が効きづらいのが特徴です。通常のエタノールでは十分な効果を発揮できません。ウィルスを覆う膜であるエンベロープを持たないのがその理由です。

 

エンベロープについては以下の様に覚えておけばOK。

・エンベロープがないウイルス→消毒薬に強い
・エンベロープがあるウイルス→消毒薬に弱い

以上から感染予防には石鹸による手洗いが何よりも重要です。

 

ノロウイルスに使用される次亜塩素酸ナトリウム(商品名ではピューラックス、キッチンハイターなど)は有効ですが、次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させたり、ゴムやプラスチックを劣化させてしまいます。

 

また皮膚に傷害を起こすため人には使用できません。たまにハイターで手洗いさせる親御さんがいますが、絶対に止めましょう。

 

ご家庭の場合、可能であれば通常のエタノールにリン酸を加えてpHを酸性に傾けることで、エンベロープを持たないウイルスまで効果を発揮できるようになった手ピカジェルプラスをご使用頂くとより安心です。

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医療用であれば健栄製薬のラビジェル、ラビショット、吉田製薬のヴィルキル、サラヤのウイルステラが該当します。

 

当院ではラビジェルとラビショットを採用し、場面において使い分けています。

プール熱(咽頭結膜熱)に有効な薬やワクチンは?

プール熱に有効な薬はありません。あくまで対症療法(症状をおさえる治療)となります。

 

病院では解熱鎮痛剤としてアセトアミノフェン、炎症を抑える目的でステロイドの点眼液、細菌の混合感染に対する予防・治療目的で抗菌薬(抗生物質)の点眼液などが処方されるかと思います。

 

また脱水の場合は水分や電解質を補う点滴をします。

 

有効なワクチンもありません。そのため上でお話したように、手洗いをしっかり行うこと。感染拡大防止のために、感染した子供にはマスクを着用させるなど咳エチケットも大切です。

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登園や登校の目安は?

またプール熱は学校保健安全法上における学校感染症の一つです。

 

日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会作成の「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」には

発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2日を経過するまで出席停止とする。

と記載されています。

 

これはそのままですね。プール熱の症状が改善後2日経ったらOKです。

プール熱(咽頭結膜熱)のまとめ

 

プール熱(咽頭結膜熱)のまとめ

・原因ウイルス
アデノウイルス

・かかりやすい時期

・かかりやすい年齢
多くが5歳以下

・潜伏期間
2~14日

主な症状
発熱、目の充血、のどの痛み

・感染経路
飛沫感染と接触感染

・治療薬
対症療法として解熱鎮痛剤、ステロイドや抗生物質の目薬、脱水時は輸液等

・ワクチン
なし

・登園・登校の目安
発熱、咽頭発赤、眼の充血等が消失した後2日以上経過したら(ただし手洗いはしっかりと)

それではプール熱(咽頭結膜熱)については以上とさせて頂きます。最後までお読み頂きありがとうございました。

 

・出典
学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説