病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

ノベルジン(酢酸亜鉛)の作用機序と副作用~プロマックとの違い


今回はウィルソン病治療剤・低亜鉛血症治療剤であるノベルジンについて解説します。

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ノベルジンとは?

 

まずは名前の由来から。ノベルジンNOBELZINと表記されますが、これは開発会社であるノーベルファーマ(Nobelpharma)と亜鉛(Zinc)の下線部を組み合わせて命名されています。一般名は酢酸亜鉛になります。

 

ノベルジンの作用を簡単に説明すると「先天的に銅が過剰となってしまうウイルソン病に対し、銅の排泄を促す。また体内で不足している亜鉛を補うことで亜鉛不足状態を改善する」になります。

 

それでは続いてウィルソン病について説明していきます。

ウィルソン病とは?

 

ウィルソン病は遺伝子の変異によって発生する疾病で、胆汁中への銅の排泄障害によって先天的に銅が過剰となってしまう病気です。

 

全身の臓器に銅が沈着することによって組織障害を起こすことが主な症状で、肝機能障害や腎障害、様々な神経症状や精神症状を起こしてしまいます。

 

早期に発見されて治療を開始した場合には予後は良好ですが、治療を中断する場合には死亡してしまう危険性が非常に高いのが特徴です。

 

ウィルソン病の症状は主に肝臓において発現しやすく、肝機能検査値の異常から始まり、肝炎・肝硬変と進展していき、最終的には肝不全となってしまいます。肝不全を起こした場合には、肝移植の対象ともなり得る疾患です。

 

治療に用いられているのは、銅とキレート形成を起こして排泄を促進させる医薬品としてD-ペニシラミンやトリエンチン、銅の吸収を阻害をする医薬品として酢酸亜鉛挙げられます。

 

食事療法として低銅食を用いていきますが、食事療法のみでの治療は困難であり、医薬品による治療が中心として行われていきます。

ノベルジンの作用機序と特徴、プロマックとの違い

 

ノベルジンはウィルソン病に適応を持つ医薬品として2008年に発売されました。

 

服薬することによって腸管内でメタロチオネイン(MT)の生成が誘導され、銅の吸収を阻害して排泄を促進することにより効果を発揮します。さらに各種臓器においてもメタロチオネインの生成を誘導し、抗銅作用を発揮していきます。

 

メタロチオネインはもともと人体に存在しているタンパク質であり、金属に結合する特性を持っています。腸管内においては金属の吸収を阻害して毒性を緩和する効果を発揮し、細胞内においては人体に必要な金属を保持する役割も担っています。

 

日本におけるウィルソン病の治療では、第1選択薬としてD-ペニシラミンが用いられていますが、欧米諸国ではD-ペニシラミンよりも安全性に優れている酢酸亜鉛製剤が第1選択薬として認知されています。

 

ノベルジンはその構造に亜鉛を持っていることから、亜鉛欠乏においても効果を発揮することが研究され、2017年に低亜鉛血症治療剤としての効能が追加されました。現在の日本では低亜鉛血症に適応がある唯一の医薬品とされています。

 

ノベルジンはプロマックと比較して1錠当たりの亜鉛含有量が多く(下記参照)、確実に亜鉛を摂取することが可能ですが、薬価がプロマックと比べて段違いに高いため、軽度の亜鉛欠乏ではプロマックを選択する医師が多いのが実情です。

商品名 1錠or1gの亜鉛含有量 薬価
ノベルジン錠25mg 25mg 269.5
ノベルジン錠50mg 50mg 422.3
プロマックD錠75 17mg 32
プロマック顆粒15% 34mg 58.9

 

ノベルジンは1日2~5回の服用により使用し、ウィルソン病に使用する場合には食前服用、低亜鉛血症に使用する場合には食後服用となっています。

 

これは食事による影響を受けて亜鉛の吸収が遅延してしまうことに起因しており、ウィルソン病の場合には確実に吸収させるために食前、低亜鉛血症の場合には悪心・嘔吐などの消化器系副作用を予防するために食後と設定されています。

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ノベルジンの副作用

 

ノベルジンでは重大な副作用として、亜鉛による銅の吸収阻害によって汎血球減少や貧血が起きてしまう銅欠乏症に注意が促されています。ただしこれはノベルジンで発生したわけではなく、他の亜鉛含有製剤で報告されていたために記載された副作用です。

 

その他の副作用として胃不快感、悪心、口内炎などの胃腸障害が主なものとして報告されており、リパーゼ・アミラーゼの増加による急性膵炎なども発生しています。

 

また肝機能検査値の異常やコレステロール値・中性脂肪値などの検査値異常、血清鉄・血清銅の低下などが報告されているため、定期的な血液検査も行っていく必要があるでしょう。

ノベルジンの注意事項

 

 

先ほどお話したように、ノベルジンの服用によりアミラーゼ・リパーゼの分泌異常が発生することがあり、それが長期に持続する場合には膵機能検査が必要となります。

 

作用機序から銅が欠乏状態にないか、尿検査等により排泄量を測定する必要があります。特にウイルソン病の妊婦の場合、銅欠乏が原因の催奇形性の報告があるため、確実な定期検査が求められます。

 

テトラサイクリン系薬剤やビスホスホネート系薬剤、経口鉄剤やキノロン系薬剤、またウィルソン病治療薬であるトリエンチン(メタライト250カプセル)などと併用すると効果が減弱する可能性があります。そのため1時間以上間隔をあけて使用する必要があります。

 

それではノベルジンについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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