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ボンビバ(イバンドロン酸)の作用機序と副作用|錠剤&静注シリンジ

入院骨折夫婦

今回は骨粗鬆症治療薬でビスホスホネート製剤の「ボンビバ」についてお話していきます。

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ボンビバとは?

 

まずは名前の由来からいきましょう。英語のgoodはラテン語でBonusに相当、同じく英語のlifeはラテン語でvivaに相当します。

 

英語”good life”という意味を込めて、ラテン語のbonusとvivaを組み合わせ、Bonviva:ボンビバと命名されました。一般名はイバンドロン酸になります。

 

ボンビバの作用機序を簡単にお話すると「骨からカルシウムを引き出す破骨細胞の働きを抑え骨を丈夫にする」となります。

 

それではまず骨粗鬆症についてお話していきます。

骨粗鬆症とは?

 

骨粗鬆症は”骨がもろくなることで骨折しやすくなる病気”のことをいいます。

 

私達の体は毎日古くなった骨を壊し、壊した部分を新しく作った骨で修復しています。これにより健康で丈夫な骨を維持することができるのです。これを骨の新陳代謝、または骨代謝と言います。

 

古くなった骨が壊されることを骨吸収といいます。そしてこれを行っているのが破骨細胞です。逆に骨が新しく作られることを骨形成といい、これを行っているのが骨芽細胞になります。

 

骨吸収と骨形成のバランスが崩れる、つまり骨吸収が骨形成を上回ってしまうと、壊した骨の分を補いきれなくなります。この状態が続くと骨量が減少してしまい、スカスカのもろい骨になってしまうのです。

 

骨粗鬆症は高齢者、そして女性に多く見られます。高齢者は個人差はありますが、一般的に食事量が低下する上、腸管からのビタミンやカルシウムなどの吸収が低下する傾向にあります。

 

また運動は骨に適度な負荷がかかり、骨芽細胞を活性化させる物質の分泌を促すのですが、高齢者は運動量が低下するため、骨粗鬆症になりやすいと言えます。運動量の低下は筋力の低下にも繋がるため転倒による骨折のリスクも上がります。

 

女性については閉経後に卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少するためです。

 

エストロゲンは破骨細胞を活性化する物質、インターロイキン1、インターロイキン6(IL-1、IL-6)や腫瘍壊死因子(TNF-α)などが作られるのを抑える作用を持っています。エストロゲンが減少することで破骨細胞が活性化してしまい、骨粗鬆症になりやすくなる、というわけですね。

ボンビバの作用機序と特徴

 

骨粗鬆症の患者様は骨吸収が骨形成を上回っているわけですから骨吸収を行う破骨細胞の働きを抑えてあげればいいですよね。

 

そこでボンビバの登場です。

 

ボンビバは骨の成分であるハイドロキシアパタイトに強い親和性があり、結合後破骨細胞内に取り込まれます。※私達の体の中ではカルシウムは99%ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)の形で骨の中に蓄えられており、残りの1%は血液中や細胞内に存在します。

 

すると破骨細胞が骨を破壊する部分である波状縁が作られるのを抑えることで破骨細胞は何もできなくなる、つまり骨吸収が抑制される、ということになります。

 

ボンビバの剤形にはシリンジと錠剤があります。

 

シリンジは「1mgを1カ月に1回、静脈内投与」、錠剤は「1カ月に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与します。服用後60分間は横にならず、飲食及び他の薬を服用してはいけません。」

 

他のビスホスホネート経口剤は30分なのになぜボンビバ錠だけ60分なのでしょうか?

 

ビスホスホネート経口剤は元々バイオアベイラビリティが非常に低く、実際に吸収される薬はごく僅かです。またその吸収も食事など様々な影響を受けます。

 

ボンビバはそのポテンシャルを最大限に発揮するため60分に設定されているのです。事実経口薬と注射薬では効果に有意差はないというデータが出ています。

 

シリンジの方は1ヶ月に1回ワンショット静注する薬です。ビスホスホネートの注射剤にボナロンもありますが、こちらは点滴静注となります。

 

ビスホスホネート製剤は服用制限が多いため、月1回タイプかつ投与経路も静注ということで患者様のアドヒアランス向上が期待できます。またシリンジの場合、月1回の訪問診療の患者様では医師が訪問時に投与することも可能になります。

※アドヒアランスとは患者様自身が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味します。

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ボンビバの禁忌

 

それでは禁忌についてお話します。

・低カルシウム血症の患者

破骨細胞は骨を壊しますが、これは骨からカルシウムを抜き出し、血液中に流すと言い換えることができます。

 

薬によりこれが抑えられると低カルシウム血症の症状が悪化する可能性があるため禁忌となります。

 

・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

ヒトにおける安全性が確立されていません。ラットにおいて子宮収縮に必要なカルシウムが不足することに起因するとみられる妊娠末期、分娩中の母親動物の死亡が報告されています。

 

授乳についてもラットにおいて乳汁中への移行が報告されているため避けるべきでしょう。

ボンビバの副作用

 

主な副作用は背部痛、筋肉痛、関節痛などです。注意が必要なのはアナフィラキシーです。

 

アナフィラキシーとは短時間の間に複数のアレルギー症状が同時に出現する状態を指します。特に血圧の低下や意識障害などを伴う状態をアナフィラキシーショックといい、命に関わる場合もあります。ボンビバは国内の臨床試験ではみられていないものの、海外では死亡例も出ているため注意が必要です。

 

続いて顎骨壊死これは顎の骨や組織が死滅し、骨が腐ると口の中の常在菌による感染が起こり、顎の痛み、歯のゆるみ、歯茎の腫れなどの症状が現れる病気です。

 

長期間に渡るビスホスホネート製剤の服用、ステロイドの服用、がん化学療法、抜歯などの外科的処置、口腔内の不衛生などがリスク因子として挙げられます。

 

抜歯については服用開始前に処置をしておくのが望ましいですね。開始後であれば場合により休薬も考慮します。歯科受診時には必ずビスホスホネート製剤を服用していることを伝えるようにして下さい。

ボンビバの投与時の注意

 

ボンビバ静注1mgシリンジの用法・用量は”1mg(1シリンジ)を1カ月に1回、できるだけ緩徐に静脈内投与”となっています。

 

1ヶ月に1回となっていますが、毎月同じ日に外来受診するのは難しいですよね。ですがご安心下さい。次回投与予定日の前後14日以内であれば許容範囲とされています。

 

海外でもボンビバは発売されていますが規格・用法・用量が異なります。

■国内
規格:1シリンジ(1mL)中にイバンドロン酸として1mgを含有
用法・用量:1ヶ月に1回1mgを静脈投与
■海外
規格:1シリンジ(3mL)中にイバンドロン酸として3mgを含有
用法・用量:3ヶ月に1回3mgを静脈投与

 

海外の用法・用量は「3ヶ月に1回3mgを15~30秒かけて静脈内投与する」となっています。”緩徐に”はこれを目安とするのがよいかと思われます。ちなみに3ヶ月製剤の国内販売予定はないようですね。個人的には絶対売れると思うんですが…

 

最後に医療関係者向けですが、Ca2+やMg2+と結合すると不溶性の沈殿物を形成することがありますので、これらを含有する点滴溶液とは混合してはいけませんのでご注意を。あまりないかと思われますが一応記載しておきます。

 

それではボンビバについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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