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ビラノア(ビラスチン)の作用機序と副作用|抗ヒスタミン薬

アレルギー性鼻炎

今回は抗アレルギー薬のビラノアについてお話します。ビラノアは平成28年11月18日発売となりました。

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ビラノアとは?

 

それでは名前の由来からいきます。ビラノアはBilanoaと表記されますが、これは一般名のBilastine:ビラスチンと”Non Allergy”を組み合わせて命名されています。

 

ビラノアの作用を簡単にお話すると『アレルギーの原因となる化学伝達物質ヒスタミンがヒスタミン受容体に結合するのを抑えるとともに、他の化学伝達物質の放出も抑え、症状を改善する』となります。

 

それではまずアレルギー反応が起こるしくみについてお話していきましょう。

アレルギーのメカニズムとは?

 

それではまず感作について説明していきますね。感作とは”ある抗原に対して敏感になること”です。アレルギーの前段階と捉えればわかりやすいかもしれません。アレルギー反応はいきなりは起きないのです。

 

まずアレルギーの原因となる異物(抗原)が体の中に入ります。すると免疫細胞と呼ばれる部分が次に同じ抗原が入ってきた時に対抗できるよう、IgE抗体と呼ばれるタンパク質を作ります。

 

その後IgE抗体は肥満細胞と呼ばれる部分に結合し、抗原が来るのを今か今かと待ち構えています。これが感作と呼ばれる状態です。

 

そして再び抗原が体の中に入ってきた時にIgE抗体が抗原をキャッチします。これを抗原抗体反応といいます。

 

すると肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサンA2、プロスタグランジンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されるのです。

 

ヒスタミンは体の中の様々な場所に存在するヒスタミン受容体に結合します。神経線維の一つであるC線維にあるヒスタミンH1受容体(以下H1受容体)に結合するとC線維が興奮し、それが脳に伝わるとかゆみとして認識されます。

 

またヒスタミンは知覚神経のH1受容体にも結合します。すると知覚神経が興奮し、その興奮が脳に伝わるとくしゃみ中枢が刺激されくしゃみが出ます。またその興奮が分泌中枢に到達すると鼻腺が刺激され、鼻水が出るのです。

 

また血管内皮細胞(血管の一番内側の細胞)にあるH1受容体に結合すると血管内皮細胞が収縮し、敷き詰められていた細胞と細胞の間に隙間ができます。すると血漿成分が漏出(血管透過性の亢進)し浮腫(むくみ)や蕁麻疹を、また漏出した成分が貯まると鼻詰まりを引き起こします。

 

ロイコトリエンも鼻の粘膜の血管透過性を亢進させるため、鼻の粘膜が腫れて鼻詰まりの原因となります。

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ビラノアの作用機序と特徴

 

ビラノアはH1受容体に結合することで、ヒスタミンがH1受容体に結合するのを邪魔します。また肥満細胞から化学伝達物質の放出を抑える作用も持っています。これにより鼻水や蕁麻疹などのアレルギー症状が抑えられるのです。

 

ビラノアの効能・効果と用法・用量、食事の影響についてみていきます。

効能又は効果:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
用法及び用量:通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する。
食事の影響:健康成人男性20例にクロスオーバー法で空腹時及び食後(高脂肪食)に本剤20mgを単回経口投与したとき空腹時に比べ食後投与時のCmax及びAUC0-tはそれぞれ約60%及び約40%低下した。

ビラノア錠20mg添付文書より引用・一部改変

となっています。

1日1回は嬉しい所ですが、空腹時が少々ネックですね。食後の服用では空腹時と比較してかなり効果が落ちてしまいますので、今後処方される可能性のある方は覚えておきましょう。ちなみにメーカー曰く食前1時間、食後2時間はあける必要があるとのこと。

 

またビラノアは薬物代謝をほとんど受けないという特徴もあります。

 

例えば肝臓の薬物代謝酵素にはCYP3A4、CYP2D6などがありますが、これらには個人差があり、同じ薬を飲んでも早く代謝される人(extensive metabolizer:EM)もいれば、なかなか代謝されない人(poor metabolizer:PM)もいます。これを”遺伝子多型が存在する”と言います。ビラノアは薬物代謝酵素の影響がほとんどないため、効果の個人差が生じにくいと言えるでしょう。

 

ビラノアの剤形は錠剤のみとなっています。

ビラノアの副作用

 

副作用として眠気、頭痛、口渇などが報告されていますが、頻度は低く、安全性の高い薬です。

 

眠気については脳に移行しづらいため、他の抗ヒスタミン薬よりも非常に少なくなっており、用後の自動車運転能力に対する影響はプラセボ群(ビラノアを含まない偽薬を服用したグループ)と差がなかったとされています。

 

添付文書上”眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること”、この文言がない抗ヒスタミン薬は他にアレグラディレグラクラリチンデザレックスだけです。

 

口渇は抗コリン作用に由来します。ビラノアは第一世代の抗ヒスタミン薬よりもH1受容体に選択的に結合しますので、抗コリン作用が弱いという特徴があります。

 

それではビラノアについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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