病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

ベムリディの作用機序と特徴、副作用~テノゼット、バラクルードとの違い


今回はB型慢性肝疾患治療薬のベムリディについて解説します。

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ベムリディとは?

 

まずは名前の由来から。ベムリディはvemlidyと表記されますが、これは「Melody of Victory」に由来します。一般名はテノホビルです。

 

ベムリディの作用を簡単に説明すると「B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する」になります。

 

B型肝炎について詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひご覧になって下さいね。

関連記事B型肝炎のまとめ~潜伏期間や症状、感染経路、予防など

ベムリディの作用機序と特徴

作用機序

ベムリディはそのままの形では効果を発揮しないプロドラッグという種類の薬であり、体内で代謝されることで初めて薬効を発揮します。

 

プロドラッグ化されたことで、ベムリディは服用後、効率的に肝臓に運ばれていきます。そして肝臓に入ったのち、加水分解されて不要な部分をそぎ落とされ、その後にリン酸化を受けることによってテノホビル二リン酸という活性体となります。

 

このテノホビル二リン酸が、B型肝炎ウイルスの増殖するときに必要なDNAの逆転写酵素阻害薬としてはたらき、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制するのです。

バラクルードとの違い

このような作用をもつ医薬品を核酸アナログ製剤という種類に分類しますが、同じような作用をもつバラクルードとは、どういった部分が異なるのかみていきましょう。

 

それは、ベムリディの方が有効性・安全性ともに優れているということです。耐性ウイルスの出現が非常に少ないとされていたバラクルードよりも、さらに耐性ウイルスの発現が少なくなっています。

 

妊婦に対しても安全性が向上しており、バラクルードでは胎児毒性があり、男性が服用していたとしても影響が強いために避妊が必須であったことに比べれば、ベムリディは催奇形性の報告もなく、安全性が高いと言えるでしょう。

テノゼットとの違い

テノゼットも同じテノホビルを成分とする抗ウイルス薬ですが、こちらについても両者の違いについて解説します。

 

簡単に言えば、ベムリディはテノゼットを改良した医薬品です。同じテノホビルが主成分ですが、修飾されている側鎖が異なります。

 

ベムリディはテノゼットよりも親油性を改善させ、組織に効率的に移行するように改善されたのです。その結果、テノゼット300mgに対してベムリディ25mgという少量で同等の効果を発揮できるようになり、副作用も少なくなっています。

 

腎機能が低下している患者であっても、クレアチニンクリアランスによる細かい投与量の設定が不要になったこともベムリディの利点と言えるでしょう。

 

用量が少なくなったことで、錠剤も小さくなり(長径:17.0mm→8mm)、飲みやすさも向上しています。

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ベムリディの副作用

 

ベムリディを服用した患者のうち、14.2%に副作用の発現が認められています。主な副作用は悪心、疲労感、頭痛、腹部膨満感などです。

 

重大な副作用の報告が2件あり、一つは腎不全などの重度な腎機能障害、もう一つが乳酸アシドーシスや脂肪沈着による重度の脂肪肝です。

 

腎機能障害ではタンパク尿や尿量の変化、血圧の変動やむくみなどが発生します。これらの症状や検査値の異常など前兆症状が起きた場合には、服薬を中止する必要があります。

 

内蔵や皮下組織へ脂肪が沈着する脂肪肝は自覚症状はほぼありません。倦怠感や肝機能検査値の異常などが出る程度ですので、定期的な検査で肝機能検査値を追いかけるしかありません。

 

放置しておくと肝炎・肝硬変と移行していく危険性がありますので、脂肪肝の可能性がある場合には服薬を中止するなどの処置が必要になります。

 

その他の副作用として、消化不良や下痢・便秘などの消化器症状や不眠症、めまい、関節痛などの報告があります。

ベムリディの注意事項

 

投与終了後、肝炎が急激に悪化してしまうことが報告されており、これは警告としても記載されている事項です。予防のため、服用終了後も数か月は十分な検査と観察が必要となります。

 

腎機能に応じて服用の可否を判断する必要があり、服用前に問題がなくても、服用開始後に腎機能が悪化してしまった場合には中止を検討しなければいけません。

 

また、ベムリディはP糖タンパク・乳がん耐性タンパクの基質である為、併用に注意を要する医薬品が存在します。

 

まずは併用禁忌の薬からみていきます。

ベムリディの併用禁忌薬
・リファンピシン:抗結核薬
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

 

これらは強力にP糖蛋白を誘導(数を増やす)する作用を持ちます。ベムリディの血中濃度が低下し、効果が低下する可能性があるため禁忌となっています。

・P糖蛋白:薬物を細胞外に排出するポンプのこと

 

併用注意の医薬品も同じくP糖タンパクの誘導作用を持つものであり、カルバマゼピン・フェノバルビタール・フェニトイン・ホスフェニトイン・リファブチンがあります。

 

妊娠中の服用は有益性投与となっていますが、胎児への影響は報告されておらず、他の核酸アナログ製剤よりも安全性が向上しています。また乳汁中への移行が報告されているため、服用中は授乳を避けるべきでしょう。

 

それではベムリディについては以上なります。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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