病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

当帰芍薬散の作用機序と特徴、副作用~下痢等の胃腸障害が多い?


今回は漢方薬の当帰芍薬散について解説します。

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当帰芍薬散とは?

 

当帰芍薬散は6種類の生薬で構成されています(下記参照)。その中の主薬である当帰と芍薬を組み合わせて当帰芍薬散と命名されています。

当帰芍薬散の作用機序と特徴

 

当帰芍薬散は女性に特有の病に対して使用されている漢方薬で、含まれている生薬は芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)です。

 

本来であれば白朮(ビャクジュツ)が使用されている漢方薬ですが、一般的に販売されている漢方薬では白朮の代わりに蒼朮が配合されている例が多くなっています。ちなみにツムラの製剤は蒼朮が配合されています。

 

漢方薬の適切な使用は、東洋医学の考え方で人体の状態を現す「証」により判断されます。当帰芍薬散の証は虚証であり、体力がなく華奢で、冷え性でむくんでいる人に対して良く効果を発揮します。

関連記事漢方薬の処方の基本~証、陰陽、虚実、気血水とは?

 

添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果

筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症
貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)添付文書より引用

 

当帰芍薬散は血の巡りを改善し、水の停滞を改善してその効果を発揮していきます。薬理学的には女性ホルモン(エストラジオール・プロゲステロン:下記参照)の分泌促進効果を持っており、それによって月経のコントロールや更年期障害に対して効果を発揮します。

 

フリーラジカルを除去する効果もあるため、活性酸素による身体へのダメージを軽減することができ、それらが原因となっている妊娠率の低下を改善することができます。子宮が過度に収縮することを抑制することができるため、流産の予防効果を発揮することも可能となります。

エストラジオール:卵巣ホルモン(エストロゲン)の主要成分であり、卵胞の発達に伴って増加するホルモンです。生理周期を安定させる効果や女性らしい体つきを形成する効果があり、更年期になるとこのホルモンの分泌が低下していることがわかっています。

プロゲステロン:黄体ホルモン。排卵後に卵胞が黄体に変化し、そこから分泌されているために黄体ホルモンと呼ばれています。通常は約2週間ほどでその分泌が低下するのですが、妊娠した場合には分泌が継続されていきます。基礎体温を上昇させることで妊娠しやすい環境を作り出し、妊娠後には状態を安定させる役割を持ったホルモンです。

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当帰芍薬散の副作用

 

当帰芍薬散では副作用が明確になる調査は行われていません。そのため、その発現頻度に関するデータも存在しておらず、どのくらいの頻度で起こるのかが不明です。重大な副作用の報告はされておらず、比較的安全に使用できる漢方薬と考えられています。

 

報告されている副作用は発疹・掻痒感などの過敏症状、肝機能検査値であるAST・ALTの上昇を伴う肝機能異常、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等の消化器症状となっています。

 

添付文章では記載されていませんが、当帰芍薬散では胃腸障害を起こしやすいと言われています。含まれている精油成分が胃を荒らしやすくしてしまうためです。そういった副作用を抑える目的もあって白朮が配合されているのですが、市販されているものは蒼朮の配合が多く、副作用の予防効果は期待できません。

 

そのため、ツムラの製剤で胃腸障害がみられる場合は、他社製品(コタロー当帰しゃく薬散料エキス細粒など)に変更することで症状が改善する場合があります。

当帰芍薬散の飲み方と注意事項

 

当帰芍薬散は最初から粉の形状の薬です。そのため、漢方薬でよく言われているお湯に溶かして服用するということをする必要がありません。胃を荒らすことが考えられるため、著しく胃腸が弱っている人にはおすすめできない漢方薬となっています。

 

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)添付文書より引用

妊娠中の使用に関しては、添付文書上では服薬の安全性が確立されておらず、治療上の有益性が危険性を上回る場合に使用するように書かれています。

 

しかし当帰芍薬散は妊娠中のむくみの改善などに通常使用される漢方薬であり、妊娠中の貧血や膀胱からの症状、また、切迫早産の薬物療法中の副作用に対しても使用されることがある漢方薬です。

 

そのため医師の判断で用いる場合には安全性は高いと言えます。日本臨床漢方医会でも推奨されていることから、信頼性も高いでしょう。ただし、医師は個人の証を判断して処方していますので、自己判断で服用することはしないようにしてください。

 

それでは当帰芍薬散については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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