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疎経活血湯の作用機序と特徴、副作用、注意事項:ツムラ53


今回は漢方薬の疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)について解説します。

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疎経活血湯の名前の由来

 

疎経:血管内の血流が阻害されている状態を疎通させること

活血:血液の流れを順調にすること

上記作用を持つ漢方薬ということで、疎経活血湯と命名されています。

疎経活血湯の作用機序と特徴

 

疎経活血湯は神経痛・筋肉痛・腰痛・関節痛に適応をもつ漢方薬で、含まれている生薬は芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)、当帰(トウキ)、桃仁(トウニン)、茯苓(ブクリョウ)、威霊仙(イレイセン)、羌活(キョウカツ)、牛膝(ゴシツ)、陳皮(チンピ)、防已(ボウイ)、防風(ボウフウ)、竜胆(リュウタン)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、白芷(ビャクシ)です。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。

関連記事漢方薬の処方の基本~証、陰陽、虚実、気血水とは?

 

疎経活血湯に適応がある証は寒証、血虚、水滞であり、体力は中程度で、冷え・しびれがあって顔色がわるく、むくみやすいタイプの人に向いている漢方薬です。

 

添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果

関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ疎経活血湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

漢方薬の薬理的な作用機序は解明されていないものが多く、疎経活血湯も例外ではありません。そこで、含まれている生薬から考察していく必要があります。

 

多くの生薬が配合されている疎経活血湯ですが、その効果は血虚を治療する四物湯をベースにされており、血の巡りを改善させ、寒・湿・風を除去することによって発揮されています。

 

特に腰から下の痛みに対して効果的に作用し、痛みを緩和する芍薬・甘草を中心に、水分をコントロールする茯苓・蒼朮または白朮、威霊仙などが作用します。

 

似たような効果を持つ漢方薬に芍薬甘草湯がありますが、疎経活血湯とは状態に応じて使い分けすることが求められます。

 

芍薬甘草湯は血の巡りを改善し、筋緊張を緩和して痛みを改善しますが、水滞・血虚への効果が薄いため、水滞・血虚を原因とする患者の場合、疎経活血湯がより効果的だと言われています。

 

ただし、芍薬甘草湯が即効性の高い漢方薬であるのに対し、疎経活血湯は穏やかに効果を発揮することが多い漢方薬となっています。

 

神経痛・腰痛に効果がある漢方薬であるため、ヘルニアの保存療法に効果を発揮する可能性が高く、実際に血流の改善によって痛み・しびれが緩和された例が存在します。

 

ただし、あくまでも対処療法としての有効性であり、ヘルニアの状態を改善させるものではない点は十分に説明する必要があります。

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疎経活血湯の副作用

 

疎経活血湯では副作用の発現頻度が明確になる調査を行っていないため、その詳しい発生頻度は不明です。重大な副作用としては甘草に由来するものが報告されており、使用する際にはその兆候となる症状に注意が必要です。

 

低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫を引き起こしてしまう偽アルドステロン症、前述の低カリウム血症の結果として筋肉の動きに悪影響を与えてしまうミオパチーの発生が報告されています。それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

 

ミオパチー:ここでは難病である先天性ミオパチーではなく、薬剤性ミオパチーを指しています。薬剤性ミオパチーは何らかの医薬品の影響で筋肉が痩せていき、力が入りにくいという自覚症状を伴います。服用を中止することで改善することが可能です。

 

その他の副作用として、食欲不振や胃部不快感、悪心・下痢などの消化器症状の報告があります。服用中にこれらの症状が現れた場合は、かかりつけの医師、薬剤師に伝えるようにして下さい。

疎経活血湯の飲み方と注意事項

 

疎経活血湯は1日2~3回に分けて空腹時に服用するのが効果的です。もし服用を忘れて食事をしてしまった場合には、効果は減弱してしまう可能性はありますが、気づいた時点で服用しても構いません。

 

疎経活血湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。ですので、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。

 

あまりに熱いお湯では、薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

有効成分の重複には注意を要するものがあり、甘草を含む漢方薬の併用には注意しなければいけません。前述している甘草による副作用が発現してしまう可能性があるため、甘草を含有している漢方薬はもちろん、甘草の有効成分として含有されているグリチルリチン酸を使用している医薬品も同様に注意する必要があり、併用注意となっています。

 

妊娠中の使用は、あまりオススメできない漢方薬です。含まれている生薬には妊娠中の使用は好まれないものも含まれており、牛膝や桃仁が子宮の収縮に影響を与える可能性もあります。

 

以上から、自己判断ではなく、必ず医師の判断のもとで使用するようにしてください。

 

それでは疎経活血湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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