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リリカ(プレガバリン)の作用機序と副作用|神経障害性疼痛

腰が痛い老人男性

今回は神経障害性疼痛治療薬のリリカについてお話していきたいと思います。

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リリカとは?

 

名前の由来からいきます。リリカLYRICAと表記されますが、これはQOL改善のイメージができ、読み、聞き、書いた場合に印象が良い言葉である”Lyric:叙情詩(Music)”、”Lyrical:叙情的な”から命名されています。一般名はプレガバリンです。

 

リリカの作用を簡単に説明すると「神経細胞を興奮させるカルシウムイオンが細胞内に入り込むのを邪魔することで、神経障害性疼痛の症状を改善する」となります。

 

それではまず神経障害性疼痛について説明していきましょう。

神経障害性疼痛とは?

 

痛みには様々な種類のものが存在しています。怪我などの外傷を原因とする痛み(侵害受容性疼痛)や、物理的な原因ではなく精神的なストレスなどを原因として感じる体の痛み(心因性疼痛)が存在しています。

 

それらとは異なり、神経の圧迫や切断によって起こってしまう痛みを神経障害性疼痛といいます。神経障害性疼痛と一概に言っても、常に持続して痛みを感じる場合もあれば、衣擦れなどの刺激に応じて痛みが出てくる場合もあります。

 

病気や怪我が治ったのにしつこくしびれや痛みが残っている場合には、神経障害性疼痛の可能性が高いと言えるでしょう。神経障害性疼痛である場合、一般的な痛み止めでは効果が薄く、痛みをコントロールすることが困難となります。

神経障害性疼痛の原因と起こるメカニズム

 

神経障害性疼痛は、様々な原因によって神経が異常に興奮してしまうことで感じる痛みです。

 

たとえば糖尿病により神経が傷ついてしまった場合、ヘルペスなどのウイルスによって神経を傷つけられてしまった場合、ヘルニアなどによって神経を圧迫されてしまった場合などに感じることになります。どんな場合であっても、神経の傷や圧迫が原因となるわけです。

 

怪我などの原因で神経が傷ついた場合であっても、通常は怪我の痛みを感じるのみで、神経そのものからの痛みの信号が出ることはありません。ですが、一部の人では神経に傷や圧迫が生じると、その部分に炎症が起きてしまいます。

 

外傷が改善した後でも神経に起きたその炎症が体に痛みの信号を送ってしまうために、実際の外傷がないにもかかわらず痛みを感じてしまうのです。

神経障害性疼痛の種類と症状

 

神経障害性疼痛にはいろいろな種類が存在します。

 

大きく分けると二種類の痛みが存在し、それは刺激に応じて突発的に感じてしまう痛みと刺激に関係なく持続する痛みに分けられます。さらにそれらは細かく分類され、刺激の種類によって名前が与えられています。

 

布がすれるだけなどの弱い刺激でも痛みを感じるものは「アロディニア」、実際の痛みよりも強く痛みを感じてしまうものは「痛覚過敏」、電気が走るような痛みを感じる場合には「電撃痛」、焼けるような痛みであれば「灼熱痛」。

 

いずれにしろ、実際に感じたことのない人には伝えるのが困難な痛みと言えるでしょう。一般的な神経痛の例としては以下のものがあります。

坐骨神経痛

腰から下の神経に圧迫や傷を生じることによって感じてしまう痛みです。腰やお尻、足に痛みやしびれを感じてしまいます。座っている時に感じる場合や歩行中に痛みが強くなる場合、横になっていても痛む場合があるため、日々の生活に重大な影響を与えてしまいます。

三叉神経痛

三叉神経は顔に広がっている神経です。顔面神経痛ともいわれる症状ですが、これは男性より女性に多く発症するもので、通常痛みに感じることのない刺激でも強い痛みとして感じてしまいます。

頚椎症

首のあたりに生じる神経圧迫が原因の痛みです。先に紹介している坐骨神経痛とは発生する場所が違うのみで、ほぼ同じ原因と言えるでしょう。首から下の部位の様々な部分に症状が出るため、日々の生活に支障が出る場合もあります。

神経障害性疼痛の治療

 

痛みに対する治療としては、まずは一般的な痛み止めを使用して様子をみますが、神経が原因の痛みですので効果は薄い場合がほとんどです。通常の痛み止めで改善しない場合には、神経の興奮を抑えるタイプの痛み止めを併用していきます。

 

神経障害性疼痛を改善する用量は個人によって全く変わってくるために、一人ひとりにあった用量を探すため、実際に薬を試していくことになります。

 

交感神経からの伝達を遮断する神経ブロック注射を使用する場合もありますが、よく効く場合とあまり効果を発揮しない場合があるため、使用するための症状の見極めが重要です。

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リリカの作用機序と特徴

 

神経障害性疼痛は神経が興奮し、神経伝達物質が過剰に放出されることによって発生すると考えられています。その神経細胞の興奮に関与しているのがCa2+(カルシウムイオン)です。

 

細胞内のCa2+が増えると神経細胞が興奮し、その興奮が前シナプスのシナプス小胞に伝わるとそこから興奮性神経伝達物質のグルタミン酸が放出されます。

 

神経細胞の末端はシナプスと呼ばれる構造を持ちますが、神経細胞同士はくっついておらず数万分の1mm程度離れており、この隙間をシナプス間隙といいます。そして情報を伝達する側のシナプスを前シナプス、情報を受け取る側のシナプスを後シナプスといいます。

 

前シナプスからグルタミン酸がシナプス間隙に放出され、それが後シナプスに到達しグルタミン酸受容体と結合することで情報(興奮)が伝達される仕組みになっています。

 

神経障害性疼痛は神経細胞が過剰に興奮している状態。つまり興奮を抑えるには細胞内に入るCa2+を減らす、グルタミン酸の放出を抑える、グルタミン酸が受容体に結合するのを邪魔するといったことを行えばいいことがわかります。

 

そこでリリカの登場です。

 

リリカはカルシウムチャネルのうちα2δサブユニットと結合します。チャネルはイオンの通り道。ここが遮断されることで神経細胞内にCa2+が入り込むのを抑える事ができ、グルタミン酸などの神経伝達物質の放出を抑えることができるのです。

 

リリカは神経障害性疼痛のガイドラインにおいて、第一選択薬の1つになっており、投与一週目から効果を発揮します。また癌性疼痛における鎮痛補助薬としても使用されることもあります。

 

またリリカは腎排泄型の薬であるため、腎機能障害のある方は減量する必要があります。

リリカの副作用

 

リリカの副作用として多いのがめまい、眠気、ふらつきです。添付文書の用法及び用量の項目を見て下さい。

用法及び用量

神経障害性疼痛
通常、成人には初期用量としてプレガバリン1日150mgを1日2回に分けて経口投与し、その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は600mgを超えないこととし、いずれも1日2回に分けて経口投与する。

リリカカプセル25mg/ リリカカプセル75mg/ リリカカプセル150mg添付文書より引用

上記の通り、リリカは1日150mgから開始とありますが、これだと副作用を訴える方が結構います。そのため25mgから開始するケースも少なくありません。

 

特に高齢者は転倒からの骨折につながる可能性があるため少量から開始した方がいいでしょう。腎機能障害のある方も同様に注意が必要です。

 

眠気、注意力・集中力の低下がみられる場合がありますので、リリカ服用中は自動車の運転や機械の操作、高所作業等危険を伴う作業は避ける必要があります。

 

他の副作用としては浮腫(むくみ)、複視(ものが二重に見える)、霧視(かすみ目)、視力低下などの眼障害なども報告されています。これらの症状が現れた場合は医療機関を受診するようにして下さい。

薬物治療以外にも

 

神経障害性疼痛の場合に重要となるのが、医薬品を使用した治療と合わせて、リハビリや温熱療法などの併用です。自己判断で行った場合には逆に神経に負担を掛けて悪化させてしまうこともあるので注意が必要ですが、しっかりとした指導を受けて行う場合には有効な手段となるでしょう。

 

神経障害性疼痛はひとりで悩んでいても解決しません。自己判断での治療行為も悪化させる危険性があります。まだ治療されていない方はまず医療機関で相談してみて下さいね。

 

それではリリカについては以上とさせて頂きます。最後までご覧いただきありがとうございました。

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