病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

黄連解毒湯の作用機序と特徴、副作用~かゆみや口内炎、二日酔いにも


今回は漢方薬の黄連解毒湯について解説します。

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黄連解毒湯の名前の由来

 

配合されている4種類の生薬のうち、黄連を主薬とし、熱による毒症状(熱毒)を消炎解熱作用により解毒するということから黄連解毒湯と命名されています。

黄連解毒湯の作用機序と特徴

 

黄連解毒湯は全身の炎症や充血などを伴う症状に用いられている漢方薬で、皮膚のかゆみや不眠症、二日酔いなどにも使用されています。

 

含まれている生薬は黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、黄柏(オウバク)、山梔子(サンシシ)です。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。黄連解毒湯が適している証は実証・熱証・気逆であり、体力が充実していてほてり気味であり、イライラしやすい傾向にある人に適している漢方薬です。

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添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果
比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の諸症:
鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症

用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

含まれている生薬の効果は、基本的に体にたまった熱を放散させてくれる効果であり、過剰に亢進している体の働きを穏やかにするものです。解熱作用・消炎作用を基本として、健胃・止血効果によって効果を発揮しているとされています。

 

東洋医学における体のかゆみや胃の症状は、熱がその部分に停滞していることから過敏に反応し、炎症を起こしていると考えられています。熱を放散させる効果をもつ黄連解毒湯が皮膚炎などのかゆみや胃炎に用いられているのは、この考えに基づいています。

 

漢方薬は未だに薬理作用が明確に解明されていません。黄連解毒湯も例外ではありませんが、研究された結果として一部の薬理作用は判明しています。

 

黄連解毒湯の科学的薬理作用は、免疫を調整し、炎症反応を引き起こす物質を抑制するとともに、炎症を緩和する物質の産生促進によって成り立っていると考えられます。

 

まず、止血作用に関しては、血液が凝集する効果を持った血小板に直接作用し、血液凝集を促進させる生体物質の放出を抑制することが判明しています。

 

胃腸などの消化管で局所的な作用も発揮し、胃腸の血流を増加して粘膜保護効果を発揮するプロスタグランジンE2の産生を増加させて健胃効果を発揮しています。加えて肝機能保護作用も併せて発揮するため、二日酔いや胃炎などの症状に対する効果も期待できるでしょう。

 

また不眠症やノイローゼに対する効果は、ストレスに対する黄連解毒湯の作用が関係していると考えられます。

 

黄連解毒湯にはストレスによって産生されるグルココルチコイドの発生を抑制する効果があり、これにより誘発されるアポトーシスまで抑制することで、ストレスによって発生する身体障害が緩和されると考えられています。

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黄連解毒湯の副作用

 

黄連解毒湯では副作用の発現頻度が明確になる調査を行っていないため、その詳しい発生頻度は不明です。重大な副作用の報告もあるため、使用する際にはその兆候となる症状に注意しなければなりません。

 

重大な副作用として報告されているものは、間質性肺炎、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症の3つです。

 

間質性肺炎が疑われる症状として、呼吸困難や咳、発熱や肺音の異常などがあります。その際は適切な検査を行い、炎症を抑えるためのステロイド剤の投与などの処置が必要になります。

 

肝機能障害では、肝機能検査値の異常値や黄疸が発生することがあります。

 

腸間膜静脈硬化症は、主に山梔子を含有している漢方薬によく見られる副作用であり、長期間の服用によって発生しやすくなります。下痢・腹痛などの消化管症状が繰り返し発生している場合や、便潜血が見られた場合は腸間膜静脈硬化症が疑われます。

 

その他の副作用としては、発疹、蕁麻疹などの過敏症状、食欲不振、胃部不快感、悪心・嘔吐などの消化器症状が報告されています。

 

これらの症状が現れた場合は病院を受診するようにして下さい。

黄連解毒湯の飲み方と注意事項

 

黄連解毒湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。そのため、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。

 

あまりに熱いお湯では薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

実証に用いる典型的な漢方薬の一つである為、虚証の人に用いた場合には副作用が強く現れてしまう危険性があります。服用開始前に患者の証をきちんと判断することが大切です。

 

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

妊娠中の使用に関しては、添付文書では安全性が確立されていないため、有益性がある場合に投与するとされています。

 

しかし日本臨床漢方医会によれば、妊娠中のかゆみの症状に対して使用することがある漢方薬として挙げられており、医師の指示の下で使用するのに関しては問題ないと思われます。自己判断での服用は避けるようにして下さいね。

 

それでは黄連解毒湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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