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MSコンチン、ピーガード、カディアン、モルペスの作用機序と特徴

患者と看護師

今回は麻薬性鎮痛薬でモルヒネ製剤のMSコンチン、ピーガード、カディアン、モルペス、記事タイトルには書けませんでしたがMSツワイスロンについてもお話していきます。

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MSコンチン、ピーガード、カディアン、MSツワイスロン、モルペスとは?

 

一般名は全てモルヒネ硫酸塩水和物で英語でMorphine Sulfateと表記されます。まずは名前の由来からいきましょう。

MSコンチン

MSコンチンは12時間持続する徐放錠(Continuous Tablet)です。Morphineから先頭の”M”、Sulfateの先頭の”S”、Continuousから先頭の”Contin”を抜き出し組み合わせてMSContin:MSコンチンと命名されました。

ピーガード(P GUARD)

前半の”ピー”は緩和ケア(Palliative care)の一員として痛み(Pain)から患者 (Patients) から。後半の”ガード”は患者を守りたい(Guard)に由来します。

MSツワイスロン(MS-TWICELON)

の”MS”はMorphine Sulfateそれぞれの頭文字を、”ツワイス”は英語のtwice(1日2回投与)の2回を意味します。”ロン(lon)”は徐放性製剤であることのlong activeに由来します。

モルペス

モルペスはMORPHESと表記されますが、これはギリシア神話の夢の神、眠りの神”Morpheus”に由来しています。

カディアン

特にないようですね。

 

MSコンチン、ピーガード、カディアン、MSツワイスロン、モルペスの作用を簡単に説明すると、「オピオイド受容体を刺激する事で痛みの伝達を抑え、がんの痛みを抑える」となります。

MSコンチン、ピーガード、カディアン、MSツワイスロン、モルペスの作用機序と特徴

 

モルヒネは脊髄後角のオピオイドμ受容体を刺激することで侵害刺激伝達が抑える作用を持ちます。侵害刺激とは「組織が傷害されるほどの強い刺激」と思って頂ければよろしいかと思います。

 

オピオイド受容体は脳、脊髄、末梢神経などに存在し、”μ(ミュー)”、”δ(デルタ)”、”κ(カッパ)”の3つのサブタイプ(種類)があることがわかっています。中でも主にμ受容体が強い鎮痛作用と関係しています。

 

モルヒネが脊髄後角のオピオイドμ受容体に作用すると侵害刺激が脳に伝わるのを抑えることができます。また大脳皮質にも働きかけ、痛みの闘値を上昇させる、つまり”痛みを感じにくくする”作用も持っています。

 

モルヒネは肝臓で多くが代謝され、活性代謝物のモルヒネ-6-グルクロニド(M6G)と非活性代謝物のモルヒネ-3-グルクロニド(M3G)になります(代謝されても薬効が失われない、また逆に薬効が強くなる代謝物を活性代謝物、代謝物に薬効がないまたは非常に弱い場合を非活性代謝物といいます。)。

 

腎機能が低下している患者様だとM6Gが蓄積することで傾眠や吐き気、呼吸抑制などの副作用が出やすくなるため注意が必要です。その場合はオキシコンチンなどのオキシコドン製剤が推奨されます。

 

それではそれぞれの薬剤について簡単に説明していきます。

MSコンチン

服用後60~120分程度で効果が発現し、8~12時間持続する徐放錠。通常1日2回12時間ごとの服用ですが、1日3回8時間ごとで服用する場合もあります。徐放性製剤のため噛み砕かないように注意して下さい。

ピーガード

服用後60~120分程度で効果が発現し、24時間持続する徐放錠。これはDCVという技術によるものです。

DCV(Diffusion Controlled Vesicle)徐放化技術
主薬を含む速放性の錠剤に,水溶性微粒子を分散させた水不溶性高分子をコーティングすることにより,経口投与後,消化管内で水溶性微粒子が速やかに溶けて多数の細孔を形成し,pH 非依存的に長時間にわたり一定の速度で薬物を放出させる技術で,コーティング層の厚み,水溶性微粒子径等により溶出速度をコントロールできる。

田辺三菱製薬株式会社ピーガード錠インタビューフォームより

 

注意点としてピーガード服用後1時間は食事を摂らないようにして下さい

 

海外のデータではありますが、高脂肪食摂取20分後にピーガードを投与した場合空腹時投与と比べて血中濃度が低下、また軽食でも摂取30分前投与で血中濃度が低下することが報告されています。食間投与となっているのはこのためです。

 

徐放性製剤のため噛み砕かないように注意して下さい。また有効成分が放出した後の殻錠(ゴーストピル)が便から出る事がありますが、殻にはほとんど薬剤は残っていません。ご安心下さい。

カディアン

カディアンの剤形にはカプセルとスティックがあります。規格が異なりますので注意して下さい。いずれも服用後60分程度で効果が発現し、24時間持続します。

 

カプセルは脱カプセル可能ですが、徐放性製剤のため内容物を噛み砕いてはいけません。

MSツワイスロン

MSツワイスロンはカプセル内に徐放化された顆粒が充填されています。服用後1~2時間程度で効果が発現します。1日2回12時間ごとの服用で疼痛コントロールが可能です。

 

MSツワイスロンは脱カプセルできますが、顆粒は徐放性製剤のため噛み砕かないように注意して下さい。

モルペス

モルペスは服用後60~120分程度で効果が発現し、8~12時間持続する徐放性細粒です。甘味があり飲みやすいです。MSコンチンとほぼ同じ効果とされています。

 

細粒は徐放性のためすり潰してはいけません。ジュースなどに溶解するのはOKです。ただし沈殿するため溶解後は速やかに服用して下さい。

 

換算の目安については下の表をご参照下さい。

オピオイド力価換算表

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MSコンチン、ピーガード、カディアン、MSツワイスロン、モルペスの副作用

 

オピオイドμ受容体にはμ1受容体とμ2受容体があります。それぞれの作用を以下にまとめます。

μ1受容体:鎮痛、吐き気・嘔吐、尿閉、痒み、縮瞳など
μ2受容体:鎮痛、鎮咳、鎮静、便秘、依存、呼吸抑制など

モルヒネはμ受容体を刺激しますので、鎮痛だけでなく上記のような症状が副作用として出現する可能性があります。中でも便秘、悪心、嘔吐、傾眠は頻度が高いため、投与開始時から予防的に制吐剤や下剤を併用します。

 

吐き気は1~2週間、眠気は数日で耐性ができて落ち着くことが多いですが、便秘には耐性が生じません。そのため下剤についてはオピオイド服用中は飲み続ける必要があります。

 

眠気やめまいが現れることがありますので、服用中は自動車の運転、アルコールの摂取は控えましょう。

 

それではMSコンチン、ピーガード、カディアン、MSツワイスロン、モルペスについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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