病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

アネメトロ(メトロニダゾール)の作用機序と副作用|偽膜性大腸炎

メトロニダゾール

今回はメトロニダゾール製剤のアネメトロ、フラジールについてお話していきます。偽膜性大腸炎に使用するバンコマイシン散にも触れます。

スポンサーリンク

アネメトロとは?フラジールとは?

 

まずは恒例名前の由来からいきましょう。一般名はメトロニダゾール、英語でmetronidazoleと書きます。嫌気性菌はanaerobe。両者の前半部分を合わせてanaemetro:アネメトロと命名されました。

 

一方フラジールは、鞭毛生物を意味する”Flagellum”の先頭4文字と語尾調整のための”YL”を加えて、Flagyl:フラジールと命名されました。

 

メトロニダゾールは国内ではフラジール(内服錠・膣錠)のみでしたが、今回ようやく注射液が販売となりました。販売名はアネメトロ点滴静注液500mgになります。それではもう少し詳しくみていきましょう。

メトロニダゾールの作用機序

 

メトロニダゾールは原虫や細菌の中に取り込まれ、酸化還元反応を受けると、ニトロソ化合物と呼ばれる物質になります。ニトロソ化合物自身殺菌作用、抗原虫作用を持っています。

 

また反応途中で作られた活性酸素の一種である”ヒドロキシラジカル”が原虫や細菌のDNAを切断し、らせん構造の不安定化を引き起こします。これにより原虫や細菌を死滅させる事ができるのです。

 

トリコモナスなどの原虫、細菌では特に嫌気性菌に有効です。Bacteroides fragilisの第一選択薬となります。ピロリ菌の二次除菌にも使われていますね。

 

最近は一次除菌で使用する抗菌薬クラリスロマイシンに耐性をもつピロリ菌が増えてきています。一次除菌で失敗した際は、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更して除菌治療を行います。ピロリ菌の除菌について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

参考記事:ピロリ菌の除菌(3剤併用)療法と検査、消化性潰瘍発症の機序

 

メトロニダゾールは嫌気性菌に有効のため、偽膜性大腸炎にも使用されます。海外ではメトロニダゾールが第一選択となっています。偽膜性大腸炎とは抗菌薬の使用により腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディフィシルと呼ばれる嫌気性菌が異常に増える疾患です。

 

偽膜性大腸炎は以前はバンコマイシン散しか適応がありませんでしたが、現在は錠剤のフラジールも使用できるようになっています。それに今回アネメトロが追加となったのです。

注意するポイント

 

お酒はこの薬を飲んでいる間は禁止です。理由はアルコールを代謝するアルデヒド脱水素酵素を阻害するからです。これによりアセトアルデヒドが蓄積し、二日酔い、悪酔いを起こしやすくなります。

 

アネメトロを使用する際は入院しているケースが多いと思いますので問題ないかと思われますが、外来でピロリ菌の除菌等でフラジールを処方された際は注意が必要です。

 

あとは抗凝固薬のワーファリンと一緒に服用するとワーファリンの代謝が邪魔される可能性があります。その結果効果が強くなり、出血しやすくなったりします。

 

必ず医師、薬剤師に現在服用中の薬を伝える必要があります。お薬手帳を忘れずに見せてくださいね。

スポンサーリンク

偽膜性大腸炎に使用する各製剤の薬価と特徴について

バンコマイシン散とメトロニダゾール製剤の薬価

偽膜性大腸炎でよく使用されるバンコマイシン散。これ結構高いんですよね。ちなみにとんでもなく苦いです。水で溶かして飲むだけだと結構厳しいです。単シロップと一緒処方されることが多いのはそのためです。

 

続いて薬価ですが、この記事を書いている段階(H26.8)で1瓶あたり先発品で2924.8円、最安の後発品で1261.7円になります。これを1日4回、7~14日程度服用するとなると…結構な金額になることがお分かり頂けるかと思います。

 

ちなみにフラジール錠250mgは35.5円/錠、今回発売のアネメトロの薬価は1252円/瓶です。つまりアネメトロの1瓶あたりの薬価はバンコマイシン散の後発品とほぼ同じです。

 

最近はバンコマイシン散は軽症では1日1瓶(0.5g)での処方も多くなってきましたが、それでもなかなかのお値段。療養病床で使用するのはちょっと難しいですね。

メトロニダゾール製剤の特徴

フラジールの特徴としては経口での生物学的利用率(バイオアベイラビリティ:以下BA)がほぼ100%ということ。つまりフラジールは経口投与でも消化管機能に問題がなければ注射薬と同等の効果が期待できるという事です。

※BAとは薬が体に入って、そのうちどれだけの量が体に実際に作用するかを%で表したもの

 

とはいえ疾患により絶食が必要場合、また絶食ではなくても経口摂取が困難な場合にフラジールを投与するのは困難です。このような場合にアネメトロはうってつけと言えるでしょう。

 

アネメトロの用法・用量ですが、

通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回500mgを1日4回投与できる。

アネメトロ点滴静注液500mgの添付文書より引用

となっています。腎機能に応じて用量調節が不要というのも特徴の一つです。

メトロニダゾールの副作用

 

多いのは嘔気、下痢などの消化器系副作用です。痙攣や意識障害等の中枢神経障害、四肢の痺れなどの末梢神経障害にも注意が必要です。

妊婦・授乳婦への投与について

 

妊婦への投与ですが、妊娠3ヵ月以内は禁忌です。胎盤を通過して胎児に移行することが報告されています。また母乳にも移行するとされており、使用中は授乳を中止する必要があります。

クロストリジウム・ディフィシルの注意事項

 

偽膜性大腸炎の原因であるクロストリジウム・ディフィシルですが、自らを保護する殻『芽胞』を形成するため、消毒用エタノール等のアルコール製剤は無効です。そのため石鹸と流水による手洗いが基本となります。

 

感染経路は接触感染となりますので、おむつ交換後の手洗いが不十分だと他の患者に伝播(でんぱ:感染が拡大)する可能性があります。これは医療関係の方は覚えておいて下さいね。

 

それではアネメトロ、フラジールについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

スポンサーリンク

こちらの記事もおすすめです

関連記事

サイト内検索



Facebook開設しました

「いいね」して頂けるととても嬉しいです(^^)

お役に立ちましたらフォローお願いします☆