病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

酸化マグネシウムの作用機序と副作用、相互作用などまとめ

便秘

今回は塩類下剤の酸化マグネシウムについてわかりやすく解説していきます。

スポンサーリンク

酸化マグネシウムとは?

 

下剤は『排便を促す薬』ですが、いくつか種類があります。今回お話するのはその中でも塩類下剤と呼ばれるタイプになります。

 

代表的な医薬品には酸化マグネシウム(化学式:MgO)(商品名:マグミッ、マグラックス)があります。医療現場では略して”カマ、カマグ”と呼ばれることが多いですね。

 

市販薬ではミルマグや3Gマグネシアなどがあります。

酸化マグネシウムの作用機序

 

酸化マグネシウムには主に3つの作用があります。

制酸作用

酸化マグネシウムの作用の一つに制酸作用があります。制酸作用とは”胃の中で胃酸を中和すること”を意味します。

 

胃酸の中身は”塩酸”ですからね。胃の粘膜が弱っている時はその胃酸自体の刺激で胃潰瘍などを起こしてしまう可能性があります。だったら胃酸を中和して効果を打ち消してあげればいいわけですね。

 

またその際二酸化炭素を発生しないため、刺激が少なくおだやかに中和してくれます。ただ最近はこれを目的として酸化マグネシウムを処方することは少ないかもしれません。

緩下作用

次に緩下(かんげ)作用です。緩下作用とは”排便を促す”という意味ですが、語頭に「緩」とあるように比較的穏やかな作用になります。

 

酸化マグネシウムは上記の中和の後、腸内で塩化マグネシウムになり、その後炭酸マグネシウムと呼ばれる重炭酸塩になります。これが塩類下剤と言われる所以(ゆえん)です。

 

この重炭酸塩の影響で腸内の浸透圧が上昇します。浸透圧は一言で言えば、”同じ濃度になろうとする力”です。

 

今回は腸内の濃度が高くなっているため、外と濃度を合わせようと水が腸内に移動します。この時濃度の高い方にかかる圧力を浸透圧といいます。

 

腸内に水分が引き寄せられた結果、便が水を含み柔らかくなります。同時にその便が腸管に刺激を与えることで排便を促すわけです。酸化マグネシウムはこの緩下剤として処方されることが一番多いですね。

シュウ酸カルシウム結石の予防

シュウ酸カルシウムといえば尿路結石の原因の一つです。酸化マグネシウムはシュウ酸と結合することで腸内にシュウ酸が吸収されるのを邪魔します。また尿中ではシュウ酸と可溶性(水に溶ける)の複合体を形成します。

 

これにより尿中のシュウ酸イオンが減少するため、シュウ酸カルシウム結晶が作られるのを抑えることができます。つまり尿路結石が予防できるというわけですね。

スポンサーリンク

酸化マグネシウムの相互作用(飲み合わせ)

 

酸化マグネシウムを飲んでいる時は、牛乳を飲み過ぎないようにしましょう。またカルシウムも取り過ぎないようにして下さい。

 

理由として、酸化マグネシウムは胃酸を中和するため体の中はアルカリ性に傾きます。更に牛乳やカルシウムをたくさん摂ることでカルシウムの量が増えます。

 

これが原因で起こる高カルシウム血症を”ミルク・アルカリ症候群”といいます。

 

高カルシウム血症の症状は倦怠感(体がだるくなる)、便秘、嘔吐などがあります。大体の目安ですが、1L(リットル)を超えなければOKです。

 

1日に1Lのパックを1本飲む方はそれほど多くはないと思いますので、多くの方は問題ないかと思いますが一応覚えておきましょう。

 

またミノサイクリンなどのテトラサイクリン系、クラビットなどのニューキノロン系と呼ばれる抗菌薬と同時に服用すると、キレートと呼ばれる化合物が作られることで、これらの薬の消化管からの吸収が低下してしまいます。

 

そのため同時服用は避け、ニューキノロン系抗菌薬服用後少なくとも2時間以上(クラビットは1時間)服用間隔を空ける必要があります。薬剤師から説明があるかとは思いますが、一応知っておいた方がいいでしょう。

酸化マグネシウムの副作用

 

まずは腹痛や下痢。これは下剤ですからある意味当然かと思われます。

 

注意が必要なのは高マグネシウム血症です。マグネシウムを注射で投与した時や元々腸に病気を持っている方、腎臓の悪い方、また高齢者の方に長期間投与した場合などで起きやすいため、定期的にマグネシウム値を測定するなど注意が必要となります。

 

酸化マグネシウムとの因果関係が否定出来ない死亡例が報告されたとのことで、2015年10月添付文書の重要な基本的注意に改訂がありました。(下線部が改訂部分です)。

重要な基本的注意
1.
本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。特に、便秘症の患者では、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているので、以下の点に留意すること。

1)必要最小限の使用にとどめること。

2)長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。

3)嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること。

協和化学工業株式会社 マグミット添付文書より引用 一部改変

酸化マグネシウムは作用が穏やかで長期間服用しても耐性ができないということもあり、非常に多くの方が服用されています。平成17年のデータでは年間使用者数はなんと約4,500万人と言われています。

 

服用されている方は高マグネシウム血症の初期症状「吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、傾眠(眠気でぼんやりする、うとうとする)など」などの症状が現れた場合はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

 

特に高齢の方、腎臓に病気のある方、長い期間飲んでいる方は注意が必要です。

 

それでは酸化マグネシウムについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

スポンサーリンク

こちらの記事もおすすめです

関連記事

サイト内検索



Facebook開設しました

「いいね」して頂けるととても嬉しいです(^^)

お役に立ちましたらフォローお願いします☆