現代は電子機器が発達しあらゆるものが電子化されています。医療現場においても当然その波は訪れており、かつては紙媒体だったものが電子媒体へと姿を変えています。

 

薬局においても薬歴は電子化され、パソコンやタブレットなどが日々の業務をサポートする体制が整えられていますが、お薬手帳も例外ではありません。

 

紙媒体から電子媒体に変わったお薬手帳とは、どういったものなのか、この記事ではお話していきます。

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電子お薬手帳とは?紙のお薬手帳とは何が違う?

 

電子お薬手帳とは、今まで紙の手帳に記録していた服薬情報やアレルギー歴を電子媒体で管理するアプリです。

 

今までは紙の手帳を使って、使用している薬の情報やアレルギー歴などを記載していましたが、クラウド上や端末にそのデータを保存することが可能になり、インターネットを活用したデータの連動により様々なサービスを受けることが可能になりました。

電子お薬手帳のメリット

 

お薬手帳は基本的に持ち歩かなければ意味がありません。お薬手帳を所持していれば、たとえば意識を失うなどの緊急時に、自分の服用している薬を正確に伝えることが可能になります。

 

まだ記憶に新しい震災の時分、お薬手帳を所持している人には即座に正しい薬を調剤することが可能でしたが、手帳を所持していなかった人には正しい薬を調剤することが非常に困難でした。

 

電子お薬手帳であれば、普段から保持しているスマートフォンなどに情報を保存することができるため、お薬手帳のように別で持ち歩く必要がなく、緊急時にもクラウドやネット上のバックアップを活用して情報を活用することが可能になります。

 

スマートフォンを活用した機能も豊富にあり、登録した薬の服用時間になったらアラームで教えてくれる機能であったり、家族間の薬の情報を共有する機能であったり、処方箋を薬局に行く前に送信しておくこともでき、従来の紙のお薬手帳ではできなかったことが可能になります。

電子お薬手帳のデメリット

 

電子お薬手帳は普及が進んでおらず、まだ一般的ではありません。それゆえ、対応していない調剤薬局も多く、電子お薬手帳に情報を残すことができない場合もあります。

 

現状の電子お薬手帳では、服用している薬の情報を統一化できないことも問題となっています。様々なメーカーが発表している電子お薬手帳に互換性がなく、紙のお薬手帳よりも情報管理に齟齬(そご)が生じてしまう可能性があるからです。

 

また、お薬手帳を特に必要とする世代である高齢者では、スマートフォンなどの電子機器を使いこなせていないことがあります。いかに高性能の電子お薬手帳でも、使いこなせなければあっても役に立つどころか、無用の長物となってしまいます。

 

さらに、インターネット上に保管されている情報の保護に関しても注意しなければいけません。電子媒体とする上で、セキュリティは避けては通れない問題となります。

 

服用している薬の情報や通院している医療機関の情報など、電子お薬手帳の情報が漏えいしてしまえば様々な個人情報が奪われてしまう危険性があります。

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おすすめの電子お薬手帳アプリ

 

電子お薬手帳には様々なメーカーが存在しており、それにも一長一短があります。アプリを選ぶ上で、自分にあった機能を持っているものを選択することが大切です。

 

インターネット上に保管するクラウド型であるのか、端末に保管するタイプであるのか、医薬品情報の提供はしているのか、セキュリティに関してはどのように考えているのか、総合的な判断が必要です。

 

大規模チェーン薬局が提供している電子お薬手帳や電機メーカーが提供している電子お薬手帳などがありますが、私がオススメしたいのは日本薬剤師会が提供している「日薬eお薬手帳」です。

 

日本薬剤師会が発行元であるため、多くの薬局が対応していくだろうことが選んだ理由になります。

 

これはクラウド型ではなく、端末に保管していくタイプの電子お薬手帳ですが、災害時のためにサーバーにバックアップが可能になっています。医薬品情報はグーグル検索により閲覧可能であり、処方箋の送信機能も付いています。

 

興味がある方は一度ダウンロードしてみるといいでしょう。

>>日薬eお薬手帳について更に詳しく知りたい方はこちら

まとめ

 

電子お薬手帳はまだまだ発展途上の段階です。使い勝手も正直褒められたものではありません。これだったら紙のお薬手帳の方がいいという薬剤師も多いです。

 

今後さらに改良され発展し、様々な医療機関で活用されることになる可能性はありますが、それも未知数です。ですが、時代の流れから考えれば、遅かれ早かれ電子化はされていくことでしょう。

 

まだ対応している医療機関が少ないですが、電子お薬手帳への理解は深めておくようにしましょう。

 

それでは電子お薬手帳については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。