病院で処方された薬や病気についてわかりやすく解説します

ルコナックの作用機序と副作用、クレナフィンとの違いについて


今回は爪白癬の新薬ルコナック爪外用液5%について解説していきます。クレナフィンとの比較についても書いています。

スポンサーリンク

ルコナックとは?

 

それでは名前の由来からいきましょう。一般名はLuliconazole:ルリコナゾールです。ここからLUCONAC:ルコナックと命名されました。ルリコナゾールの製剤としては既にルリコン(軟膏、クリーム、液)が販売されておりますが、爪白癬には適応がありませんでした。

 

ルコナック爪外用液はルリコナゾールを高濃度で配合(従来の1%→5%)することで、爪に対する透過性及び貯留性を高めた製剤となります。

 

ルコナックの作用を簡単に説明すると「真菌の細胞膜を構成するエルゴステロールが作られるのを邪魔することで症状を改善する」となります。それではまず爪白癬についてお話していきましょう。

爪白癬とは?

 

真菌感染症は大きく表在性(皮膚)真菌症と深在性真菌症に分類されます。これは文字通り前者が毛髪、爪、角質、表皮など私達の体の表面でとどまるもの。後者は皮膚の真皮以下の皮下組織、場合により臓器にも及ぶものを意味します。

 

表在性真菌症の原因となる菌は白癬菌やカンジダ、癜風などがありますが、約90%は白癬菌が原因です。これらは皮膚の常在菌であるため、免疫力が低下した時などにみられる場合があります。

 

原因No1の白癬菌ですが、部位により特に以下のように呼ばれます。白癬菌は足にいれば足白癬(いわゆる水虫)、足の爪に侵入すると爪白癬(爪水虫)、股間であれば股部白癬(いんきんたむし)、頭であれば頭部白癬(しらくも)、身体であれば体部白癬(たむし)となります。

 

白癬菌はケラチナーゼという酵素を出して、皮膚の角質の構成成分であるケラチンというタンパク質を溶かし、それを食べて増殖します。そのため皮膚の角質や爪、髪の毛などケラチンが多く含まれる部位に発生しやすいのです。

 

中でも爪白癬は足の親指によく見られます。症状としては爪が白や黄色く濁ったり、ボロボロ欠ける、変形する、厚くなる、などが挙げられます。痛みや痒みなどの自覚症状が比較的少ないのも特徴の一つです。ただ放置しておくと皮膚にまで入り込み、痛みが発生する事もあります。

 

白癬菌やカンジダ、癜風等真菌の細胞膜の主な構成成分はエルゴステロールです。ちなみにヒトの細胞膜は主にコレステロールになります。つまりエルゴステロールが作られる過程を邪魔することができれば、ヒトの細胞膜に影響せず真菌を死滅させることができることがわかります。

スポンサーリンク

ルコナックの作用機序と特徴、クレナフィンとの違い

 

それではまずエルゴステロールの合成経路をみてみましょう。

エルゴステロール合成経路

たくさん酵素が出てきましたね(青い□で囲った部分です)。外用抗真菌薬の作用機序は上図のいずれかの酵素の働きを邪魔するというものになります。

 

イミダゾール系に属するルコナックはラノステロールC-14脱メチル化酵素(ラノステロール-14-α-デメチラーゼ)を阻害します。これによりエルゴステロールの合成が抑えられ、症状が改善するのです。

 

さて皆さん気になる所がクレナフィンとの違いですよね。以下の表にまとめてみました。

 

クレナフィンとルコナックの比較

ルコナックは5本入包装を販売しますが、クレナフィンもここにきて5本入包装を販売することが決定しています。対応速いですね(笑)。

 

両者の治癒率については単純な比較はできませんが、参考ということで以下に記載します。

■クレナフィン

・対象患者:爪真菌症患者(感染面積が20~50%)、国際共同第Ⅲ相試験870例(日本人患者243例を含む)

・評価項目:52週目の完全治癒率(投与期間48週) ※完全治癒率:感染面積0%かつ真菌学的治癒(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性)の割合。

・結果:全体:17.8%(117/656 例) 日本人:28.8%(53/184 例)

 

■ルコナック

・対象患者:日本人爪白癬患者(爪甲混濁部面積が20~50%)293例

・評価項目:塗布開始48週時の治癒率 ※治癒率:最終判定時点において、爪甲混濁部が完全に消失(臨床的治癒)し、かつ直接鏡検にて白癬菌が陰性 (真菌学的治癒)であった割合。

・結果:14.9%(29/194例)

クレナフィン、ルコナックインタビューフォームより引用 一部改変

 

日本人限定で見るとクレナフィンの方が効果が高そうな感じはしますね。ただ市販後のデータを待ちたいところです。

 

ちなみに海外の方の治癒率が低いのは日本人と比較して靴を履いている時間が長いこと、またシャワーのみで風呂に入る頻度が低いことも影響していると言われています。

ルコナックの副作用

 

副作用は塗った部位の乾燥や、接触皮膚炎、爪囲炎、湿疹、刺激感などです。副作用の内容自体は同成分のルリコンと大きく変わりませんが、副作用頻度は高くなっています(国内臨床試験においてルリコン:2.5%→ルコナック:18.2%)。

 

これは高濃度であること、またクレナフィン同様添加物にエタノールを使用している事も影響しているかと思います。皮膚に付いた薬液を拭き取らなかった事が原因で起こることが多いようですので、使用後はきちんと拭き取るようにしてください。

ルコナックの注意事項

 

ルコナックは直接鏡検か培養により爪白癬の確定診断がなければ処方できません。見た目だけではルコナックは処方できないのです。ただ自施設に設備がなくても外注で対応する事は可能です。

 

それではルコナックについては以上とさせて頂きます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサーリンク

こちらの記事もおすすめです

関連記事

サイト内検索



Facebook開設しました

「いいね」して頂けるととても嬉しいです(^^)

お役に立ちましたらフォローお願いします☆