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オパルモン、プロレナール(リマプロスト)の作用機序と副作用


今回は経口プロスタグランジンE1誘導体製剤のオパルモン、プロレナールについて解説します。

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オパルモン、プロレナールとは?

 

まずはオパルモンの名前の由来からいきましょう。

 

製造販売元の小野薬品工業株式会社から「ONO」、成分であるプロスタグランジンから「PG」。両者の頭文字「OP」に、PGの別名「局所ホルモン」から「ルモン」を抜き出し組み合わせて、OPALMON:オパルモンと命名されています。

 

続いてプロレナール。成分のプロスタグランジンE1(Prostaglandin E1)誘導体が、障害された血管を回復する、再生する(renew)する性質を持ち合わせていることから両者を組み合わせてPRORENAL:プロレナールと命名されています。

 

オパルモン、プロレナールの作用を簡単に説明すると「血流を改善することで、しびれや痛み、冷感を改善する」となります。

 

添付文書の適応症、用法用量を見てみると

効能又は効果

1.閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
2.後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善

用法及び用量

1.閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善には通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口投与する。
2.後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善には通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口投与する。

オパルモンの添付文書より引用

このように記載されています。

 

それでは適応症である閉塞性血栓血管炎、腰部脊柱管狭窄症について簡単に解説していきます。

慢性動脈閉塞症とは?

 

慢性動脈閉塞症は閉塞性動脈硬化症と閉塞性血栓血管炎に分類されます。

閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)

慢性動脈閉塞症の8割以上がこちら。手足(主に足)の血管の動脈硬化が原因となり、血管が狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)することで血液の流れが悪くなる病気です。

 

重症度分類としてFontaine(フォンテイン)分類が用いられます。

FontaineI度:冷感・しびれ感

血液の流れが悪くなることで十分な栄養や酸素を供給できなくなり、手足が冷たく感じたり、しびれたりします。初期に見られます。

FontaineⅡ度:間歇性跛行(かんけつせいはこう)

動脈硬化が進行すると一定の距離を歩くと足の裏やふくらはぎが痛くなり歩けなくなりますが、数分休むとおさまり、再び歩くことができるようになります。これを間歇性跛行と言います。

FontaineⅢ度:安静時疼痛

さらに進行すると、動かずにじっとしていても手足が痛み夜もぐっすり眠れなくなります。

FontaineⅣ度:潰瘍・壊死

重症になると足に潰瘍ができ、壊死に至るケースも。最悪足を切断しなければならないこともあります。

 

閉塞性動脈硬化症のある患者様は、手足だけでなく他の血管にも動脈硬化がみられる場合があるため注意が必要です。

 

原因は喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症など。やはりこの病気も生活習慣病にならないことが大切です。

閉塞性血栓血管炎(thromboangiitis obliterans:TAO)

別名バージャー病(ドイツ語ではビュルガー病)とも呼ばれ、残りの2割がこちらになります。手足の血管に炎症が起こることで動脈が閉塞し、血液の流れが悪くなる病気です。症状としては上記閉塞性動脈硬化症と同じです。

 

原因は未だ解明されていませんが、喫煙が強く関係していると考えられています。そのため禁煙が治療、予防ともに一番重要となります。

腰部脊柱管狭窄症とは?

 

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)を理解するためには、まずは脊柱管について知る必要があります。

 

脊柱管とは、背骨や椎間板、関節などで囲まれた神経が通っているトンネルです。腰部脊柱管狭窄症は、腰に位置している脊柱管が、様々な理由によって狭くなっている状態を指します。

 

狭窄が起きる原因としては、加齢によるものが中心です。加齢によって背骨が変形したり、椎間板がふくらんでしまったり、様々な理由で狭窄が起きることで神経が圧迫され、神経の血流が低下してしまうことで症状が発生します。

 

腰部脊柱管狭窄症の主な症状は、長時間歩行を続けることができなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。しばらく歩行すると痛みが強くなって歩けなくなりますが、少し休むと回復するのでまた歩行可能になるという状態を繰り返します。

 

通常時の腰痛はあまり強くはありませんが、常に腰から下に痛みやしびれ、冷えを感じてしまいます。前かがみになることで脊柱管の狭窄が軽減されるため、腰をかがめることが多くなる傾向にあります。

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オパルモン、プロレナールの作用機序と特徴

 

オパルモン、プロレナールは強力な血管拡張作用、血流増加作用、血小板凝集抑制作用を持っており、腰部脊柱管狭窄症に対する作用として、狭窄によって圧迫された神経に対して血管拡張・血流増加により強力に効果を発揮しています。

 

これらの作用はプロスタグランジンE1としての作用となります。プロスタグランジンE1は生体内においてもともと存在している物質ですが、不安定な物質であるため、そのままの形状では製剤化することは不可能でした。

 

そこでプロスタグランジン作用をもつ様々な化合物から、有用な作用と有害な作用のバランスがもっとも優れているものを洗い出し、製剤化させたものがオパルモン、プロレナールなのです。

 

ただ吸湿性が高い医薬品であるため、以前は一包化した場合、日ごとに成分が分解されていき、1~2週間で主成分の5%が分解されて規格外となっていました。

 

しかし現在では添加剤の変更(β-シクロデキストリン)などの対策により、一包化しても温度30℃・湿度75%RHで16週まで安定という報告があります。

オパルモン、プロレナールの副作用

 

オパルモンには重大な副作用の報告があります。肝機能障害・黄疸の発生報告があるため、服用によってAST(GOT)、ALT(GPT)などの肝機能検査に異常が発生した場合には注意深く観察を行い、必要があれば使用の中止を検討しなければいけません。

 

その他で報告されている副作用としては発疹や蕁麻疹などの過敏症状、貧血や血小板減少などの血液症状、心悸亢進や頻脈などの循環器症状、めまいや眠気などの精神神経症状、下痢や悪心、腹痛などの消化器症状などで、出血傾向やほてりが発生する場合もあります。

オパルモン、プロレナールの注意事項

 

オパルモン、プロレナールを腰部脊柱管狭窄症に対して使用している場合、その効果について適切に判断していく必要があり、効果が確認できない場合には漫然と投与を続けないように求められています。

 

特に手術が必要になる重症例ではオパルモン、プロレナールの有効性は確立していないため、投与の判断は慎重に行う必要があります。

 

血小板凝集抑制作用があるため手術前に一時的に服用を中止します。医療機関により異なりますが、概ね1日前に中止することが多いかと思われます。その際は医師の指示に従って下さい。

 

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人は禁忌となっています。これはプロスタグランジン製剤による子宮収縮作用が報告されており、安全性が確立されていないためです。

 

それではオパルモン、プロレナールについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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