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荊芥連翹湯の作用機序と特徴、副作用、注意事項:ツムラ50


今回はニキビや蓄膿症などにも処方される漢方薬「荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)」について解説します。

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荊芥連翹湯の名前の由来

 

含まれる17種類の生薬のうち、主薬である荊芥と連翹の名を取って荊芥連翹湯と命名されています。

荊芥連翹湯の作用機序と特徴

 

荊芥連翹湯は蓄膿症や鼻炎、ニキビなどに用いられている漢方薬であり、含まれている生薬は黄芩(オウゴン)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)、荊芥(ケイガイ)、柴胡(サイコ)、山梔子(サンシシ)、地黄(ジオウ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、薄荷(ハッカ)、白芷(ビャクシ)、防風(ボウフウ)、連翹(レンギョウ)、甘草(カンゾウ)です。

 

東洋医学では漢方薬の適応を判断するため、個別の患者の状態を判断する「証」という概念を用います。

関連記事漢方薬の処方の基本~証、陰陽、虚実、気血水とは?

 

荊芥連翹湯に適応のある証は、やや虚証・熱証・血虚であり、体力が低下気味で肌が浅黒く、扁桃炎などを良く起こしてしまうタイプの人に向いている漢方薬です。

 

効能又は効果
蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

漢方薬の科学的な作用機序は解明されていない場合が多く、荊芥連翹湯も例外ではありません。ただし、一部はその作用機序が解明されています。

 

荊芥連翹湯を服用することにより、アレルギーによって遊走される好中球からの活性酸素産生を抑制し、炎症反応の進行を抑制します。

 

また、殺菌作用と排膿作用があることから、化膿してしまっている蓄膿症の状態でも効果が期待でき、抗アレルギー作用によって花粉症などの鼻炎にも効果を発揮します。

 

更に血流を改善させて熱を発散させる効果があるため、皮膚表面でもその効果が発揮され、排膿作用と抗炎症作用もあることからニキビやアトピーなどの皮膚疾患にも効果が期待できます。

 

蓄膿症やアレルギー性鼻炎に対する漢方薬では、辛夷清肺湯も良く用いられている漢方薬の一つです。

 

辛夷清肺湯はやや実証で熱証・水滞の患者に効果的であり、炎症が慢性化していて、鼻孔の炎症が強く乾燥傾向がある場合に用いられます。

 

荊芥連翹湯は血虚を改善させることで皮膚などの人体の表層に向けて顕著に効果を発揮するのに対し、辛夷清肺湯は寒性の効果が強く、鼻炎や頭痛などの症状により強く効果を発揮するのです。

 

患者の証や病態に応じて、より適した製剤を使用する必要があります。

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荊芥連翹湯の副作用

 

荊芥連翹湯では副作用の発現頻度が明確になる調査を行っていないため、その詳しい発生頻度は不明です。重大な副作用としては甘草に由来するものが報告されており、使用する際にはその兆候となる症状に注意が必要です。

 

低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫を引き起こしてしまう偽アルドステロン症、前述の低カリウム血症の結果として筋肉の動きに悪影響を与えてしまうミオパチーの発生が報告されています。それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

 

また、発熱・咳嗽・呼吸困難などの症状を呈する間質性肺炎も重大な副作用として報告されている為、同様に注意が必要です。

 

その他の副作用として、食欲不振や胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状、発疹や掻痒感などの過敏症状が報告されています。服用中にこれらの症状が現れた場合は、かかりつけの医師、薬剤師に伝えるようにして下さい。

副作用の追記:腸管膜静脈硬化症について

 

添付文書には記載されていませんが、山梔子を含んでいる漢方薬を長期間服薬することによって、腸管膜静脈硬化症を発症するリスクが存在します。

 

腸管膜内を流れる静脈の石灰化によって大腸に炎症を起こし、初期には下痢・腹痛などを繰り返すことが主な病態ですので、これらの症状があった場合には速やかに服薬を中止しましょう。

荊芥連翹湯の飲み方と注意事項

 

荊芥連翹湯は1日2~3回に分けて空腹時に服用するのが効果的です。もし服用を忘れて食事をしてしまった場合には、効果は減弱してしまう可能性はありますが、気づいた時点で服用しても構いません。

 

荊芥連翹湯は生薬をお湯に煮出して服用するタイプの薬でしたが、使い勝手を考慮した結果として煮出した薬液を加工し、散剤としたものです。そのため、服用する時には元の形に戻した方が効果的だと言われています。

 

あまりに熱いお湯では、薬効成分が揮発してしまうため、約60℃程度のぬるま湯で溶かして服用するのがよいでしょう。

 

有効成分の重複には注意を要するものがあり、甘草を含む漢方薬の併用には注意しなければいけません。

 

前述している甘草による副作用が発現してしまう可能性があるため、甘草を含有している漢方薬はもちろん、甘草の有効成分として含有されているグリチルリチン酸を使用している医薬品も同様に注意する必要があり、併用注意となっています。

 

妊娠中の使用は、添付文書では有益性が危険性を上回る場合となっています。含まれている生薬は胎児や母体に対して不利益が出る可能性は低いですが、使用の可否は自己判断せず、必ず医師の判断に従うようにしましょう。

 

それでは荊芥連翹湯については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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