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ヘパリンナトリウムの作用機序と副作用|アンチトロンビンⅢ

外人親子三代

今回は抗凝固薬の「ヘパリンについてお話していきます。

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ヘパリンとは?

 

まずは名前の由来ですが、これはもう一般名そのまんまです。一般名+剤形+含量+「社名」で構成されています。

 

ヘパリンの作用機序を簡単に説明すると「アンチトロンビンⅢと結合することで血液の流れを良くする」となります。それではまず凝固系と線溶系についてお話していきます。

凝固系と線溶系について

 

例えば血管が傷ついて出血したとします。するとその出血を止めるため傷ついた場所に血小板が集まって塊を作りとりあえず止血します。これを一時止血といいます。一時止血はいわば応急処置であるため、これだけでは血液に流されてしまいます。

 

そこで血液を固めるのに必要な成分である凝固因子がやってきて次々に活性化することでプロトロンビンがトロンビンになり、トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリンにすると同時に第XⅢ因子を活性化(第XⅢa因子に)する作用を持ちます。

 

フィブリンは網目状の膜であるフィブリン網を作り、その中に血小板等を取り込み、更に第XⅢa因子の働きにより安定した血栓が作られることで止血が完了します。これが二次止血です。

 

凝固系と線溶系

今お話した一連の流れを凝固系といいます(上図左側。クリックで拡大します)。さて止血したのはいいですが、そこには血栓ができているため正直邪魔ですよね。このままでは血流が悪くなってしまいます。そこで登場するのがプラスミンです。

 

血管内に血栓ができるとt-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)がプラスミノーゲンをプラスミンにします。プラスミンはフィブリンを分解、つまり血栓を溶解する作用を持っています。この一連の流れを線溶系(上図右側)と言います。

 

プラスミンは通常プラスミノーゲンとして存在しており、必要な時だけプラスミンになります。当然ですよね。血が止まらなくなってしまいますから。

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ヘパリンの作用機序と特徴

 

凝固系には内因系と外因系があり、その中で血液が凝固するのに重要な役割を担っているのが凝固因子です。凝固因子が次々と活性化して最終的にフィブリンが生成することで血栓が作られます。

 

凝固因子にはⅠ~ⅩⅢの12種類があります(Ⅵは欠番)。そして活性化された凝固因子には”Activated”の頭文字aを付けます(例:Xが活性化されるとXa)。

 

続いてアンチトロンビンⅢについてお話します。アンチトロンビンⅢは肝臓で作られるタンパク質です。アンチは”反対”や”対抗”といった意味ですからアンチトロンビンⅢは文字通り”トロンビンに対抗するタンパク質”ということになります。

 

具体的には血液凝固因子Ⅱa(トロンビン)、Xa、Ⅶa、Ⅸa、Ⅺa、Ⅻaに結合することによりその働きを失わせます。上の図にも記載しているⅡa(トロンビン)とXaは特に重要です。ただこのアンチトロンビンⅢの作用はとても緩やかで遅いのです。

 

そこで登場するのがヘパリンです。

 

ヘパリン自身は抗凝固作用を持っていませんが、アンチトロンビンⅢと結合してアンチトロンビンⅢの構造を変化させます。これにより通常よりも凝固因子にピッタリハマりやすくなるため速やかに作用が発現するようになるのです。

ヘパリンの副作用

 

血液をサラサラにするわけですから、出血しやすくなるというのは想像に難くないと思われます。そのため出血している患者様、出血する可能性のある患者様には原則禁忌となります。

 

そして注意が必要なのはヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia : 以下HIT)です。HITは文字通り血小板が突然減少するというものです。

 

HITにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は血小板凝集作用が増強することで起こります。軽度~中等度の血小板減少で一時的なものであり通常自然に回復します。

 

問題はⅡ型です。Ⅱ型は免疫学的機序によりヘパリン依存性の自己抗体(HIT抗体)が作られることで血小板が活性化され、血小板の減少と血栓塞栓症が同時に起こるもので、時に肺塞栓症や心筋梗塞などの重篤な合併症を起こすため注意が必要です。

 

それではヘパリンについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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