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グリチロン(グリチルリチン酸、グリシン、メチオニン)の作用機序と特徴、副作用


今回は肝臓疾患用剤・アレルギー用薬のグリチロンについて解説します。

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グリチロンとは?

 

一般名はグリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠になります。中でもメインとなるグリチルリチン酸一アンモニウム(Monoammonium glycyrrhizinate)からGLYCYRON:グリチロンと命名されています。

 

グリチロンの作用を簡単に説明すると「肝臓の働きを改善したり、アレルギー反応を抑制する」となります。

 

それではもう少し詳しく見ていきましょう。

グリチロンの作用機序と特徴

 

グリチロンは、肝機能の低下に伴う諸症状を緩和する目的で用いられている医薬品で、他にも湿疹・皮膚炎・円形脱毛症・口内炎・小児ストロフルスにも適応があります。

 

主に効果を発揮しているのはグリチルリチン酸であり、グリシンとDL-メチオニンは尿量増加やナトリウム排出を緩和する目的で配合されています。

 

グリチロンには抗炎症作用・抗アレルギー作用・免疫調節作用・肝細胞障害抑制作用・肝細胞増殖促進作用・ウイルス増殖抑制作用・ウイルス不活化作用など様々な薬理作用が報告されています。

 

抗炎症作用は、炎症物質(ケミカルメディエーター)を生み出すアラキドン酸代謝経路におけるホスホリパーゼA2とリポキシゲナーゼを直接阻害することによって発揮されています。

 

また、副腎皮質ホルモン(コルチゾン)におけるストレス反応抑制効果を増強して抗アレルギー作用も発揮します。

 

T細胞・NK細胞の活性化や、インターフェロン-γの誘起作用などによって免疫反応を活性化させ、免疫調整作用の結果として、抗ウイルス作用も発揮します。さらには肝細胞の傷害を抑制し、肝細胞の増殖を促進することによって肝機能を改善に導きます。

 

慢性肝疾患を患っている患者では、B型肝炎ウイルスによって症状を引き起こされている患者も一定数存在します。

 

現在のB型肝炎の治療は、インターフェロン療法や抗ウイルス薬による治療が主に行われていますが、完全にB型肝炎ウイルスを除去することは困難だとされており、B型肝炎の急性期を過ぎ、症状が安定した状態では、肝臓の細胞を保護しながら緩解状態を維持するための肝庇護(かんひご)療法が選択されます。

 

肝庇護療法では、主にウルソデオキシコール酸やグリチロンが選択されることが多く、肝細胞を庇護しながらウイルスの増殖を抑制する治療を行うことが可能です。

 

ただし、肝庇護療法が効果を発揮するのは症状が軽度の時のみで、症状の増悪時などでは効果は期待できませんので注意が必要となります。

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グリチロンの副作用

 

グリチロンを服用した患者のうち、約6.5%に副作用が認められ、主なものは血清カリウム値の低下(1.9%)、血圧上昇(1.9%)、腹痛(1.9%)となっています。

 

重大な副作用として、低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫、尿量の減少を引き起こしてしまう偽アルドステロン症や、筋力低下・筋肉痛・倦怠感などを起こす横紋筋融解症の発生が報告されています。それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

グリチロンの注意事項

 

アルドステロン症の患者、ミオパシーのある患者、低カリウム血症のある患者では、状態を悪化させてしまう恐れがある為に禁忌となっており、また、血清アンモニウム値の上昇傾向にある末期肝硬変患者も、アンモニア処理能力をさらに低下させてしまう恐れがあるために禁忌となっています。

 

低カリウム血症を誘発してしまう危険性があるため、特に高齢者は注意が必要となります。

 

相互作用としてはループ系利尿剤やチアジド系利尿剤、またカリウムが低下している状態では心室性頻脈などの不整脈を誘発する危険性があるため、モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)も併用注意となっています。

 

またグリチロンの成分であるグリチルリチン酸を主要成分としている生薬(甘草)との併用は、副作用を誘発してしまう可能性があるために慎重に行う必要があります。

 

妊娠中の服用については「有益性が危険性を上回った場合にのみ使用することと」なっており、動物実験(ラット)では高用量において腎奇形の報告があります。自己判断での服用は避けるようにして下さいね。

 

それではグリチロンについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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