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ゼンタコートカプセル(ブデソニド)の作用機序と特徴、副作用

腹痛女性

今回はクローン病治療薬のゼンタコートについて解説します。

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ゼンタコートとは?

 

名前の由来ですが、海外での販売名は「Entocort」になります。これに製造販売元であるゼリア新薬工業株式会社の頭文字「Z」を加え、発音しやすいように「Zentacort:ゼンタコート」と命名されました。一般名はブデソニドです。

 

ゼンタコートの作用を簡単に説明すると「大腸粘膜に作用することで炎症を抑え、下痢や血便、腹痛の症状を改善する」になります。

 

ゼンタコートの用法・用量は

効能・効果

軽症から中等症の活動期クローン病

用法・用量

通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回朝経口投与する。

ゼンタコートカプセル3mgの添付文書より引用

このように記載されています。

 

それでは作用機序の前に、まずは適応症であるクローン病について簡単にお話していきましょう。

クローン病とは?

 

クローン病は指定難病として選ばれている疾患で、大腸や小腸などの消化管粘膜に慢性の炎症や潰瘍が発生し、それが長期間持続してしまう疾病です。

 

主に若年者に多くみられ、口から肛門までの消化管粘膜全体に炎症・潰瘍が発生します。その中でも小腸に多く症状が発現し、連続せずに飛び石のように病変部が存在するのが特徴的です。

 

クローン病になる原因ですが、未だ明らかになっておらず、遺伝や感染症、食事などが原因と考えられていますが、確定的なものはありません。

 

最近の研究では、これら原因とされるものが複雑に関係して発症しているとされ、遺伝的な要因を持つ人間が食事やウイルス感染などによって異物を消化管内に取り入れることで、免疫が過剰に反応しているのではないかと考えられています。

 

クローン病の主な症状は腹痛と下痢で、これらは半数以上の患者にみられる症状です。下血や貧血、体重減少も併せて起きることが多く、消化管以外にも虹彩炎や関節炎などの合併症を引き起こします。

ゼンタコートの作用機序と特徴、潰瘍性大腸炎にも効く?

 

ゼンタコートは2016年11月に発売されたクローン病の治療薬で、海外40ヵ国以上で発売されており、海外のガイドラインではクローン病の第一選択薬とされています。

 

有効成分であるブデソニドは喘息治療薬のパルミコートにも使用されている糖質コルチコイドです。胃で溶けず、クローン病の好発部位である小腸で放出されるように設計された徐放性カプセル剤になります。

 

ステロイド剤ですので抗アレルギー作用と抗炎症作用を併せ持ち、腸管で高濃度に取り込まれて長時間持続した効果を発揮します。

 

全身作用が少なく腸管での局所作用が十分に発揮されるのは、ブデソニドの一部がエステル化されていることに起因します。腸管粘膜に吸収されたブデソニドはリパーゼによって不活性体から活性体に代謝されることで、その効果を発揮するようになるのです。

 

そのため、ステロイドによる全身性副作用の発現率が低く、骨密度の低下や副腎皮質の活動低下などのリスクが低減されています。

 

小腸において放出されるように設計されたドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System:DDS)。これは全身性の副作用を低下させるのに寄与していますが、逆にそれ以外の部分に存在する病変に対しては、あまり効果を期待できないということにもなります。

 

クローン病と並んで語られることが多い潰瘍性大腸炎ですが、潰瘍性大腸炎は大腸に主な病変部位が存在しているため、ゼンタコート服用による症状改善は期待できないと考えられるでしょう。

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ゼンタコートの副作用

 

ゼンタコートには重大な副作用の報告はありません。主な副作用はざ瘡、便秘、肝機能異常で、それぞれが調査人数のうち約2%の患者から報告されています。

 

その他の副作用として、発疹・蕁麻疹などの皮膚症状、クッシング症候群様症状や月経異常などの内分泌症状、不眠や神経過敏などの精神神経症状、霧視等の眼症状、動悸などの循環器症状、筋痙攣や消化不良、低カリウム血症が報告されています。

ゼンタコートの注意事項

 

ゼンタコートには禁忌や慎重投与となる例が存在しています。まず、本剤に過敏症状を起こしたことがある患者は服用できませんし、深在性真菌症や有効な抗菌薬がない感染症の患者にも増悪の危険性のため使用はできません。

 

慎重投与も同じように、ステロイドにより悪化してしまう可能性がある疾患を持っている患者に対してのものになります。

 

感染症を患っている患者、高血圧や糖尿病の患者、骨粗鬆症や消化性潰瘍の患者、緑内障・白内障の患者に使用する際には注意しなければいけません。

 

さらに、本剤は肝臓で代謝されることから、肝機能が低下している患者では血中濃度が上昇しやすくなる点にも注意しましょう。

 

ゼンタコートの代謝は主にCYP3A4で行われるため、抗真菌薬であるイトラコナゾールなどCYP3A4で競合が起きる医薬品は相互作用に注意が必要となります。同様に、CYP3A4を阻害してしまうグレープフルーツ(ジュース含む)の摂取も控えるようにしましょう。

 

また、妊娠中・授乳中の使用は避けるべき医薬品とされており、動物実験で催奇形性や母乳への移行が報告されています。自己判断ではなく必ず医師の判断を仰ぐようにして下さい。

 

それではゼンタコートについては以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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