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防風通聖散の作用機序と特徴、副作用~服用したら痩せるってホント?


今回は漢方薬の防風通聖散について解説していきます。

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防風通聖散の名前の由来

 

風邪による病気を予防するという意味の「防風」、処方の価値の高さ(聖人が用いる、作った)を表現した「通聖」。この2つを組み合わせて防風通聖散と命名されています。

防風通聖散の作用機序と特徴

 

防風通聖散は肥満症に対して処方される漢方薬であり、含まれている生薬は滑石(カッセキ)、黄芩(オウゴン)、甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ)、石膏(セッコウ)、白朮(ビャクジュツ)、大黄(ダイオウ)、荊芥(ケイガイ)、山梔子(サンシシ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、薄荷(ハッカ)、防風(ボウフウ)、麻黄(マオウ)、連翹(レンギョウ)、生姜(ショウキョウ)、芒硝(ボウショウ)です。

 

漢方薬の適切な使用は、東洋医学の考え方で人体の状態を現す「証」により判断されます。防風通聖散の証は実証であり、むくみやすく暑がりで、体力が充実してがっちりした人に向いている漢方薬です。

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添付文書には以下のように記載されています。

効能又は効果

腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)の添付文書より引用

 

東洋医学的には防風通聖散は体内の水や気、血の循環を改善することにより効果を発揮しているとされています。

 

薬理作用としては、防風通聖散は食欲を増進させるホルモンであるグレリンの分泌を低下させます。それによって食べ過ぎることを抑制し、肥満症の悪化を抑制します。

 

また含まれている麻黄と、その効果を促進する甘草・荊芥・連翹により褐色脂肪細胞を活性化する効果も持っており、それによって基礎代謝が促進され皮下脂肪の代謝が促進されるのです。

 

大黄や芒硝により便通の改善が促され、服用後すぐに効果を実感する人も多い漢方薬ですが、肥満症などに対する体質改善はある程度の期間の継続服用が必要になります。

 

つまり服用により食欲が低下し、基礎代謝、便通が良くなりますので痩せる効果は期待できますが、人によっては継続した服用が必要になります。

 

ただ防風通聖散だけで劇的に痩せるというのは難しいと思いますので、食生活や運動等、生活習慣を見直した上で取り入れることをおすすめします。

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防風通聖散の副作用

 

防風通聖散では副作用が明確になる調査は行われていません。そのため、その発現頻度に関するデータも存在しておらず、どのくらいの頻度で起こるのかが不明です。重篤な副作用の報告もあるため、服用時にはその前駆症状に注意しなければいけません。

 

重大な副作用として報告されているものは、まずは甘草に由来しているものです。

 

低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫を引き起こしてしまう偽アルドステロン症や、前述の低カリウム血症の結果として筋肉の動きに悪影響を与えてしまうミオパチー、検査値異常や黄疸を引き起こしてしまう肝機能障害の発生が報告されています。

 

それらの可能性がある場合には、服用の中止やカリウム剤の投与などの適切な処置が必要になります。

 

次に、間質性肺炎の報告もあるため、呼吸困難や咳、発熱や肺音の異常などが出た場合には服薬を中止しなければいけません。適切な検査を行い、炎症を抑えるためのステロイド剤の投与などの処置が必要になります。

 

その他発生する可能性がある副作用ですが、発疹・掻痒感などの過敏症状、不眠・発汗過多・頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等の自律神経系症状、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢等の消化器症状、排尿障害などの泌尿器症状の報告があります。

 

添付文書には記載されていませんが、山梔子を含有しているため、腸管膜静脈硬化症の可能性もあると考えられます。長期間服用していて腹痛や下痢、嘔吐を繰り返す場合は腸管膜静脈硬化症の危険性があるため、病院を受診するようにしましょう。

腸管膜静脈硬化症:大腸壁から腸管膜の間にある静脈に石灰化の症状が起こり、血流不全によって大腸に炎症を起こしてしまう副作用。山梔子に含まれているゲニポシドが腸内細菌によって分解され、その分解物質が吸収される際に炎症を起こしていると考えられている。一般的には山梔子によるものが多く報告されているが、漢方薬の服用に起因しない発症の報告例も少数ながら存在する。

防風通聖散の飲み方と注意事項

 

防風通聖散は最初から粉の形状の薬です。そのため、漢方薬でよく言われているお湯に溶かして服用するということをする必要がありません。

 

有効成分の重複には注意を要するものがあり、甘草・麻黄を含む漢方薬には注意しなければいけません。それらの生薬に有効成分として含有されているエフェドリンやグリチルリチン酸を使用している医薬品も同様です。

 

そのほか、同様の副作用を持っている甲状腺製剤やテオフィリンなどのキサンチン製剤、アドレナリンなどのカテコールアミン製剤、フロセミドやトリクロルメチアジドなどの利尿剤、モノアミン酸化酵素阻害剤も併用に注意が必要です。

 

また、大黄を含んでいることから、こちらの重複にも注意が必要です。大黄が過量になってしまうと、下痢や腹痛などの消化器症状を誘発してしまう可能性が高くなります。併用薬に同成分が含まれないように特に注意しましょう。

 

防風通聖散は妊娠している方にとっては服用を避けた方がよい漢方薬になります。含有されている生薬、大黄と芒硝が子宮収縮を促してしまい、流早産を誘発する可能性があるため、一般的には妊娠が判明した場合には服薬を中止するべきでしょう。

 

授乳中の服用に関しても、大黄の有効成分が母乳中に移行してしまうため、おすすめはできません。自己判断で服用することなく、かかりつけ医に確認するようにして下さいね。

 

それでは防風通聖散については以上とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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